中学生と高校生、共に学び高め合う 茂木中・高の公営塾、月2回交流事業

公営塾交流事業の土曜臨時開講を利用する茂木中の塾生(手前2人)と茂木高の塾生、講師

 【茂木】茂木高と茂木中にそれぞれ公営塾を設置して生徒の進路選択を支援している町教育委員会は、それぞれの塾生と講師が共に同じ部屋で学び、指導する交流事業を開始した。中学と高校の生徒双方が刺激を受けて高め合い、指導の質も上がる場にと期待されている。

 公営塾は茂木高と茂木中に4人と3人の講師を置いて、それぞれ校内で自学自習を中心に平日の放課後無料開講しているが、これまで連携はしてこなかった。

 交流事業は7月以降第2、第4土曜に町民センターで開講する。5月下旬の初回に続き、今月も先行的に10日朝8時半から昼休みを挟み午後4時半まで臨時開講し、午後2時時点で高校、中学とも生徒4人ずつが利用した。講師も双方の公営塾から参加した。

 利用者は茂木中を卒業した先輩と在校生。大学等の受験に真剣に取り組む先輩の姿に後輩が刺激を受け、休み時間に先輩の助言を聞くことなどが可能になる。茂木高以外の高校に進んだ卒塾生も参加できる。講師は指導や進路指導について互いに情報交換し連携できる。

 10日の交流事業に参加した茂木中公営塾の講師渡辺朗(わたなべあきら)さん(36)は「公営塾の可能性が広がる」と評価。茂木中2年の女子生徒(13)は「先輩方といろいろな話ができる」と語り、茂木高2年の女子生徒(16)は「これをやっておくといいといったアドバイスもできる」と、後輩と机を並べる利点を感じた様子だった。

 公営塾はいずれも「学習習慣が身につく」「勉強に集中できる」と好評。2021年11月に中学よりも先に開講し、今年4月時点で187人の塾生がいる茂木高の今春の大学進学実績は、昨春より目立って向上している。

 堀江順一(ほりえじゅんいち)生涯学習課長は「公営塾の成果は上がっているとみていい。生徒のやる気のスイッチはどこで入るか分からず、交流事業はそのきっかけとなる場にしたい」と話した。

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