ブルーベリー観光農園24日オープン 益子に移住の夫妻、知り合いゼロから実現

町内に移住し、観光農園をオープンする金子太さん、幸代さん夫妻

 富山県から益子町に移住した金子太(かねこふとし)さん(45)、幸代(ゆきよ)さん(41)夫妻が同町本沼で準備を進めてきたブルーベリー観光農園が24日、オープンする。友人、知り合いゼロの状態から約1200本を扱う大規模農園を実現した。「素人を受け入れ、支えてくれた行政や地域の方々のおかげ」と万感の思いを抱く。

 広さ7千平方メートル、約40品種を養液栽培で扱う。店頭に並ばない品種が大半で摘みたて完熟の甘さ、香り、食感の違いを楽しめる。

 太さんが「初めてでこんなにいいものが作れるとは」と自負する出来で、試行錯誤した苦労の連続が報われた。高台から広がる里山の美しい風景も売りだ。

 都内でそれぞれ会社員として働いていた2人は、太さんの転勤に伴う富山県での生活を機に、人生を見つめ直した。移住と就農を決意し、さまざまな作物のビジネスモデルの中からブルーベリーを選び、学んだ。

 全国各地の自治体に移住と観光農園の構想を相談した。けんもほろろな対応も多かっただけに「益子町だけが素人の夢を一切否定せず、みんなが応援してくれた」感激は大きかった。

 就農、農地探し、耕作放棄地の整備、ハウス建築-。幸代さんは「2人では絶対に無理だった。尊い縁と幸運のおかげ」と感謝する。

 農園名は「ブルーベリーと里山と」。スムージーなどを提供するカフェも併設する。家族や友人、恋人同士がのんびりと休日を過ごせる憩いの場所を目指す。

 摘み取り体験90分で大人2千円。小学生千円。事前予約制。(問)070.4206.1000。

町内に移住し、観光農園をオープンする金子太さん、幸代さん夫妻

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