会社提案の取締役9人選任 フジテック株主総会

エレベーター大手のフジテック本社=21日午前、滋賀県彦根市

 エレベーター大手フジテックは21日、滋賀県彦根市で定時株主総会を開いた。創業家出身の内山高一元会長が経営の主導権を奪還しようと株主提案した社外取締役8人の選任は否決された。会社側が提案した取締役候補9人全員の選任が可決され、大株主の香港投資ファンド「オアシス・マネジメント」が推薦した社外取締役の再任も認められた。

 取締役総数は総会前の8人から9人に増えた。岡田隆夫社長(69)ら現在の社内取締役3人は退任。常務執行役員から新社長に昇格する原田政佳氏(61)は取締役に選任された。内山氏側は取締役の過半数奪還を目指していたが、株主の賛同を得られなかった。

 フジテックの経営権を巡っては、約17%の株式を保有するオアシスが内山氏ら創業家への便宜供与の問題を指摘。2月の臨時株主総会ではオアシスが推薦する社外取締役4人が選任され、内山氏は3月に会長職を解かれた。

 総会後に記者会見した内山氏は「オアシスを追い出し、経営が正常化するまで引き続き戦う」と述べた。内山氏側は約10%のフジテック株を保有する。

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