はさみふりふり「恋ダンス」 和歌山・田辺の干潟でチゴガニ

白いはさみを上下させる「ウエービング」という動作で威嚇し合うチゴガニ(和歌山県田辺市新庄町で)

 和歌山県田辺市新庄町の内之浦干潟親水公園にある干潟で、チゴガニが白っぽいはさみを何度も上げ下げする「ダンス」を繰り広げている。初夏から9月ごろまで見られるという。

 県立自然博物館(海南市)によると、チゴガニは甲羅の横幅が1センチほどと小さく、体の一部が鮮やかな水色をしている。硬めの泥がある干潟を好み、潮が引いた後に一斉に巣穴から出てくる。

 はさみを上げ下げする動作は「ウエービング」と呼ばれ、雄によく見られる行動。基本的に縄張りを主張するためのもので、雌に求愛のアピールをし、雄に対しては威嚇の意味があるという。

 平嶋健太郎専門員(50)は「雌が現れたり、雄が近づいてきたりするとウエービングのスピードや向いている方向が変わるので、じっくり見るといっぱい発見があると思う」と話している。

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