17歳の小田凱人、全仏OP優勝&史上最年少世界1位を成し遂げ凱旋帰国「まだまだ夢を叶えていきます」

小田凱人、「“世界ランキング1位”の小田凱人です」と挨拶

全仏オープンの車いすテニス男子シングルスで優勝し、史上最年少17歳33日で世界ランキング1位となった小田凱人(東海理化)が、6月20日に帰国。記者会見を行い、「まだまだ夢を叶えていきます」と力強い言葉でその喜びを語った。

会見の冒頭、「“世界ランキング1位”の小田凱人です」と挨拶し、「これだけは言いたくて」と笑みをこぼした小田。「世界1位そして最年少グランドスラム優勝がかかった舞台だったので、これまでのベストを決勝戦に向けて捧げられたと思っていますし、それが結果に出てくれたと思っています。これからもまだまだ始まったばかりなので、まだまだ夢を叶えていきます」と力強い言葉で語った。

小田は6月上旬に行われた全仏オープンにおいて、男子では最年少17歳33日でのグランドスラム制覇を果たすとともに、その翌週には世界ランク1位に史上最年少で立ち、一気に2つの偉業を達成した。

全仏オープン決勝では、過去1勝7敗の当時世界ランク1位、アルフィー・ヒュウェット(イギリス)に6-1、6-4の完勝。昨年末のインタビューでは、相手のプレーや得意不得意によって自分のプレーを変えるのではなく、「自分の得意なショットを長い時間やる」ことの大切さに気付いたと話しており、その言葉通りの速い展開の攻撃、パワーのあるショットで相手をねじ伏せた。

若くして偉業を成し遂げた小田は、まだ17歳。プロとしてのテニス人生はまだ始まったばかりで、「自分の中では初めてのグランドスラム優勝。でも、これから何度も獲れるチャンスがあると思っているので、何回決勝の舞台に立てるか、何回勝てるかというところをこれからの僕の人生の中での目標にして頑張りたい」と、具体的な数字を決めずに突き進んでいきたいとした。

それでも比較されてしまうのが、レジェンド・国枝慎吾の存在だ。通算グランドスラム優勝回数は単複合わせて50度で金メダルを4個獲得している。この数字にはさすがの小田も「長い道のりだなと。“50”かぁ」と苦笑したが、「国枝さんも『国枝慎吾2世じゃなくて、小田凱人として今後は彼が』と言ってくれていると思う。これまで国枝さんが積み上げてきたものがありますけど、自分は新しい道で作っていけたら」と自分なりの存在をつくっていきたいとした。

次のグランドスラムは、芝コートのウィンブルドン。初挑戦となった昨年大会は初戦敗退だったが、グランドスラムチャンピオンとなった今は楽しみで仕方がない。

「(全仏オープン)決勝のマッチポイントは手が震え、心臓が飛び出るんじゃないかぐらい緊張、感動があったのを覚えている。ただ、それを達成した後にはすぐにでもウィンブルドンのタイトルを獲りたいぐらい。何度も経験したい、多く達成したいという気持ちが大きい」と直近の目標を掲げた。

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