服役中の河井克行氏が証人出廷へ… 大規模買収事件 被買収側2人が初公判で無罪を主張

河井夫妻の大規模買収事件をめぐる被買収側の裁判で、広島市議と元広島市議の初公判が開かれ、いずれも無罪を主張しました。

起訴状によりますと、広島市議会議員の 三宅正明 被告(50)は、4年前の参議院選挙をめぐり、河井案里 氏を当選させる目的と知りながら、夫・河井克行 元法務大臣から現金あわせて50万円を受け取った罪に問われています。

21日午前に開かれた初公判で三宅被告は、「現金が選挙運動の報酬として供与されるとは知らなかったし、克行氏も選挙応援の趣旨で渡してきたものではない」と述べ、無罪を主張しました。

冒頭陳述で検察側は、「三宅被告は自身の支援者に案里氏のポスター張りを依頼するなどした」と指摘しました。

弁護側は、「現金の趣旨は、三宅被告自身の市議選の陣中見舞いと党勢拡大の目的だった」と主張しました。

一方、前広島市議会議員の 谷口修 被告(76)は、4年前の参議院選挙をめぐり、河井案里氏を当選させる目的と知りながら、夫・克行元法務大臣から現金50万円を受け取った罪に問われています。

午後、開かれた初公判で谷口被告も「受領したことは間違いないが、案里氏を当選させる目的で供与されるものとは知らなかった」と無罪を主張しました。

冒頭陳述で検察側は、「被告は、いったんは拒否したが、なおも克行氏が玄関先に置いたことから現金を受け取った。領収書を克行氏から交付を求められることも克行氏に交付することもなかった」と指摘しました。

弁護側は、「克行氏は悪化していた被告との関係を修復しようという認識で現金を交付したのであり、選挙協力の認識はなかった」と主張しました。

弁護人によりますと、2人の7月の裁判には克行氏が出廷し、証人尋問が行われるということです。

任期満了に伴い行われた4月の広島市議選挙に三宅被告は出馬し、あらためて当選しました。谷口被告は立候補しませんでした。

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