政府、マイナ全データを総点検 首相「コロナ並み臨戦態勢で」

記者会見でマイナンバーについて話す岸田首相=21日午後、首相官邸

 政府は21日、マイナンバーに関する省庁横断の情報総点検本部を設け、他人情報のひも付けが判明したマイナ保険証などだけでなく、ほかにもデータに誤りがないか秋までに洗い出すと決めた。マイナカード取得者向けサイト「マイナポータル」で閲覧できる全29項目が対象。岸田文雄首相は官邸で開いた初会合で閣僚らに「新型コロナウイルス対応並みの臨戦態勢で、国民の信頼を一日も早く回復するべく一丸となって全力を尽くしてほしい」と述べた。8月末に中間報告をまとめる。

 首相は同日夕の記者会見で、2024年秋に健康保険証を廃止してマイナ保険証に一本化すると重ねて表明。「全面廃止は国民の不安払拭のための措置が完了することが大前提だ」とし、廃止後も経過措置として最長1年間は現行保険証が使えるため「25年秋までの期間を活用し、不安を払拭していく」と理解を求めた。

 他人情報のひも付けは保険証のほか年金や障害者手帳でも明らかになった。点検はこれら以外の児童手当や生活保護も対象となる。

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