今さら聞けない「先・中・手元ってどう違うの?」シャフトの調子について教えて

【アマチュアSさんの“今さら聞けない”】
シャフトのカタログを見ていると、「先調子、中調子、手元調子」といった「調子」の項目がありますが、一体何を示しているのでしょうか?それぞれどのような特性があって、どういう人に向いていますか。

「調子」は軟らかくて“しなる”部分

表記だけを鵜呑みにしちゃダメー!

【たけちゃん'sアンサー】
一般的に、シャフトの最も軟らかくて“しなる”部分を指しているのが「調子」で、「キックポイント」ともいいます。先調子はシャフトの先端側、中調子は真ん中、元調子は手元側が軟らかいという事になります。

先調子は球が上がりやすくつかまりやすい、元調子は球が低く出て引っ掛けにくいといわれていますが、それを鵜呑みにしてしまうのは危険です。つかまらないから先調子を選んだり、引っかけが多いから元調子を選んだりすると、「全く合わない!」なんてこともありえます。

シャフト選びのポイントは「タイミング」

シャフトはタイミングが命!(※写真は2023サントリーレディスオープン|イ・ボミ)

私のフィッティングデータを解析すると、必ずしもではありませんが、スイング軌道がストレートの人は中調子、アウトサイドインの人は中から先調子、インサイドアウトの人は中から元調子が合う傾向にあります。

例えば、極端なインサイドアウトの人が元調子に変えることで、それが軽減されたり、逆に、極端なアウトサイドインの人が先調子に変えることで、インパクトのタイミングをとりやすくなる可能性はあります。タイミングがとりやすくなると、スイング軌道が落ち着いてきますので、インパクト時のフェースの向きが安定して、ナイスショットにつながりやすくなります。

シャフトは自分の手とヘッドをつなぐパーツです。手の感覚とヘッドの感覚がマッチしていることが重要で、それが合っているシャフトは、スイング中にヘッドの位置がどのあたりにあるのかを手で感じやすく、コントロールしやすいのです。

カタログ表記は参考程度に

元調子のATTAS DAAAS(アッタス ダァーッス・上)と先調子のATTAS KING(アッタス キング)

ただ悩ましいのが、カタログに表記されている調子が、本当に軟らかくてしなる部分を指しているとは限らないということです。

メーカーやモデルによって解釈が違うこともあり、「つかまりやすいから先調子」といった具合に、出やすい球筋によって先調子や元調子と表記していることもあります。また、「ダブルキック」と言う表現もありますが、しなるポイントが先端側と手元側の両側にあるモデルを、間をとって中調子と表記することもあります。

シャフトを選ぶ際は、試打することが大切です。表記に惑わされず、自分で振ってみて気持ちよくタイミングをとれるものを選びましょう。よく分からなければ、フィッターなど専門家にアドバイスを求める事で、自分に合う調子が分かってくることでしょう。

たけちゃんの1分動画解説

■ゴルフクラブABCとは
巷には様々なゴルフクラブがあふれ、自分にぴったりの一本を見つけるのは至難の業。そもそもクラブを選ぶにも難しい用語が多く、深く知ることを敬遠している人も多いのではないか。そこでクラブ選びに役立つ「基礎中の基礎=“ゴルフクラブのABC”」を、全国から“患者”が訪れるというすご腕クラブフィッターたけちゃんに分かりやすく教えてもらう。

© 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン