絵と書、繊細に融合 芸術家黒田さん個展 宮崎市

個展を開いている黒田千穂美さん(右)と、共同制作した戸高海さん

 第3回みやざき総合美術展の入賞者の中から、将来性のある人材の芸術活動をサポートする「県芸術家支援プログラム」(宮崎日日新聞社主催、県共催)に選ばれた黒田千穂美さん(60)=宮崎市=の個展「鳥に託す」が21日、宮崎市のみやざきアートセンターで始まった。26日まで。
 彫刻部門で準特選に選ばれた「哀しき惑星5」や同名シリーズのオブジェ、宮日総合美術展(現みやざき総合美術展)で特選の受賞経験もある書道愛好家の戸高海(うみ)さん(21)=京都市=と共同制作したミクストメディア(混合技法)など、新作を中心に計10点が並ぶ。
 このうち、新作の平面作品「胡蝶の夢」はパネル4枚組みの大作。黒田さんが粘土や墨でざらりとした質感に仕上げた絵に、戸高さんが中国の古典を揮毫(きごう)。絵と書が響き合い、新たな融合を目指した実験性と繊細さが光る。
 黒田さんは「他者の感受性に触れることで、自分の隠されたイマジネーションを出すことができた」と語った。入場無料、展示は午前10時~午後6時。個展は7~9月、西都、延岡、都城市でも順次開催する。

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