九州高校体育大会 ハンドボール男子 大分雄城台が得た収穫と自信 【大分県】

第73回全九州高校ハンドボール競技大会

6月17日 大分雄城台高校体育館

1回戦 大分雄城台41(24-14,17-13)27須恵(福岡)

2回戦 大分雄城台26(15-15,11-12)27マリスト学園(熊本)

調整不足は否めなかった。九州高校体育大会に出場したハンドボール男子の大分雄城台は2回戦でマリスト学園に惜敗した。

新型コロナウイルスの影響で、県高校総体を終えてから全体練習ができたのは大会前日だけ。平井徳尚監督は「本来なら全国総体(インターハイ)に向けてトーナメントの戦い方を経験しておきたかったが、それができなかった。けがをしないことを大前提とし、体力の戻った選手を優先して起用した」と苦しい内情を明かした。

1回戦の須恵との試合は、司令塔の中本真生(3年)が巧みに試合をコントロールし、エースの二宮幸路(同)が個人能力の高さを存分に発揮して得点を重ねた。守っては188cmの長身GK野尻祐汰(同)が好セーブを連発して、相手に流れを与えなかった。前半に10点のリードをつけると、後半はメンバーを入れ替えながら逃げ切った。

得点源となった二宮幸路

続く2回戦は練習不足の影響が出た。「足が動かなかった」と二宮。いつもの強度の高い守備は影を薄め、自慢の組織的な守備も機能したとは言えなかった。終盤の勝負どころで踏ん張れず、1点差に泣いた。それでも3年生が屋台骨となり、1、2年生が持てる力を存分に発揮し、チームの底上げにつながったのは確かだ。平井監督は「試合勘が鈍った中で3年生が大崩れせずに試合をつくった。守備は体力的に仕方ない面はあったが、攻撃はしっかりとセットして得点できた」と振り返る。

県高校総体前にメンタルトレーナーの指導を受け、チームにはポジティブな空気が漂う。九州大会では思うような結果にはならなかったが、「インターハイに向けて足りないものが分かった」と全員が前を向く。キャプテンの野尻は「ミスしても下を向かずにチャレンジできている。ミスの捉え方が変わり、積極的なプレーが増えた。得点すればみんなで喜び、コートの選手もベンチの選手も一体となっている」とチームの変化を感じている。

全国高校総体まで1カ月余り。「まずは体力を戻し、個々の打開力と判断力を強化する。組織的な守備のベースを引き上げ、攻撃の速攻と遅攻を使い分け、相手を揺さぶれるようにしたい」(平井監督)と明確なプランがある。着実にステップアップして全国舞台に備える。

チームにはポジティブな空気が流れる

(柚野真也)

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