「女子プロレスラーが結婚を考える時」異彩を放つ松本都が婚活宣言

女子プロレスラーの松本都が「結婚」を真剣に考えている。

プロレスが楽しすぎるが故に今までは恋愛を疎かにしてしまい、気が付けば現在の年齢(非公表)になってしまったと語った。

出産や育児を行うにはタイムリミットがある。そのことを真剣に考える時期がきたようだ。

◆異彩を放ち独特の世界観を持つ女子プロレスラー

松本都は、女子プロレス界で異彩を放つ女子レスラーである。

2009年、夏公開の映画「スリーカウント」(監督:窪田将治)出演のためにプロレスラーとしてデビューすることになる。マッスルビーナスのメンバーとしてプロレス団体アイスリボンの練習に参加し、さくらえみの指導を受けたのち、8月23日新木場1stRING大会において、6人タッグマッチ戦でデビューを飾った。

女子プロレス団体のアイスリボンで頭角を徐々に現し、ついには団体のシングル王座も獲得。その後も独特のキャラクターで会場人気を不動のものにしてきた。

デスマッチのカリスマである葛西を「神」と崇め、団体初のハードコアマッチも経験するなど、プロレスの新たなスタイルにも目覚めた。

そんな彼女がアイスリボンを退団。新たに自身が代表となって「崖のふちプロレス」を立ち上げ、自身の生誕祭である「ミヤココフェス」などで独自の世界観やカラーを演出するレスラー兼プロデューサーとして異才を放ってきた。

松本都はその存在感を世間に示し、多彩な才能と情熱を追い求める姿勢によって多くのファンを魅了してきた。

◆結婚したくなった理由

シングルマザーで母親に育てられたという彼女は父親がとても好きだと言う。

その父の血を絶やさず、後世に伝えたいというのが結婚したいという一番の動機だと語った。

松本「私はシングルマザーでお母さんに育ててもらったんですけど、お父さんのことすごい好きなんです。もし私が今、結婚せず子供を産まない人生を選んだら、お父さんの血が途切れてしまうんだなと思ったのがまず最初のきっかけですね。

結婚がしたいというよりは、血が途絶えてしまうことを考えたら子供を産まなきゃいけないと思って。子供はどれくらいまでに産めるのかなって思い調べたら年齢的には結構ギリギリで。一応ブライダルチェックを受けたら問題はなかったんですけど、年齢的なリミットとかもあるんだなと思って」

◆女子プロレスは本当に楽しくてやめられない

それでもプロレスが楽しくてやめられないと語る彼女。

だが子供を産むタイムリミットを意識して婚活の道を探っている。

松本「女子プロレスは本当に楽しくてやめられないですね。まだやめるつもりはないんですけど、人生設計をそろそろ考えないと。じゃないとプロレスが楽しくて、40歳でも50歳でも続けていっちゃいそうなので、ちゃんと考えないといけないですね。今は結婚をして子供を産む。

好きなお父さんの血を絶やすことなく、後世に伝えたいので。自分の血とかは、あんまり重要視してないですけどね」

◆本当は自由恋愛結婚(ポリアモリー)をしたい

そんな彼女だが自身の思想として自由恋愛結婚(ポリアモリー)をしたいと話した。

飽き性ではないが一人の人とずっと長くいるには不向きと語る彼女。同じような考えを持つパートナーにどうやって巡り合うかが課題だ。

※ポリアモリー:1990年代にアメリカから広まった、複数性愛という意味を持つ造語。 すべての相手の合意の上で、オープンに複数の人と同時に親密な関係を築く恋愛スタイルのことを示す。

松本「ポリアモリーという恋愛スタイルがあるんですけど、結婚してパートナーがいても、相手との合意の上で自由恋愛はするっていう…、それはいいなと思いますね。なんか一生1人と添い遂げるって、無理ですよね。何か不倫とか浮気とかそういう事件がいっぱいあるじゃないですか。

自分は、ポリアモリーという考え方がすごいしっくりくるんですよね。恋愛結婚はするものの、お互いポリアモリーでというのがいいな。その思想に共鳴するパートナーを見つけるのってなかなか大変そうだけど今の希望ですね。

全然飽き症じゃなくてピュアで潔癖だし、男性苦手だしっていうのがあるんですけど。でも来年結婚するってなると、いろんな男性を知っておかなきゃいけないなと思って。現時点では、全く何も進んでないんですけど、いろんな人と積極的にご飯とか食べるようにしていったら、なんかいろんな考えの方がいて面白いなと思って。

1人の人と添い遂げるとなると視野も狭くなるような気がして。そういうこととかも、一生1人と添い遂げるというのが嫌だなと思ってるとこではあります」

◆レスラー仲間の結婚

アイスリボンで戦い合った藤本つかさや世羅りさなどが結婚し、また他の女子レスラーに対して松本都は独自の思想を持っていた。

松本「素敵だなとは思うんですけど、ただ自分もああなりたいなとかとは思わなくて。考え方が結構男性というよりというか…代わりに産んでもらって、自分はその妊娠していて本来は休まなくてはいけない期間にも仕事したいなと思うんですよね」

◆女子プロレスラーの恋愛事情

女性アイドルと同じようなファン層を持つ、現在の女子プロレス界。

そんな彼女たちはどんな風に恋愛をしているのだろうか?

松本「やっぱり付き合ってることがバレたり、広まったりすると困るので、みんな口にしないんですよね。つっか(藤本つかさ)とかとも一切しなかったですしね。結婚は電話をもらって知りました。他の子のことは全然知らないんですけど、恋愛はしていても隠してると思います。

私は結構言っちゃうタイプなんですよ。だから本当に恋愛してないんです、私は。隠せるタイプじゃないんですよ、思わず言っちゃう。この人かっこいいとか、好みだなぁみたいな(笑)」

※世羅りさを中心としたアイスリボンの後輩レスラーから「松本都 被害者の会」を結成されていたが、本当の仲は?

◆恋愛や結婚で気になる男性ファンのガチ恋勢

ファンの中にはいわゆるガチで、女子プロレスラーと恋愛をしたいという男性ファンも多い。

プロレス会場での物販ではレスラーとの距離も近く、さながら女性アイドルの握手会のような雰囲気も感じる。

推しのレスラーを愛してやまないファンが他のファンに嫉妬したりするのは、ある意味アイドルなどの業界と同じような部分も併せ持つ。

松本「選手の色によると思うんですよね。いわゆるガチ恋勢に支持されているような選手であれば、結婚するとファンは離れるかもしれないですね。そういう売り方をしていないと思う世羅(りさ)でもすごい離れたって言ってましたね。結婚発表したときに売店の売上がすごく減ったって言ってました。

ファンの層によると思うんですよ。ガチ恋ヲタのファン層は、恋愛や結婚で減るかもしれないですけど、私にはガチ恋のファンの方は多分そんなにいない。だから別に公表したところで離れてしまう様な方々だとは思ってないので公表は絶対したい!盛大に公表したいと思ってますね。

もちろん人による事なので私がどうこう言える事ではないですけど、結婚を隠す様なレスラーは、逆に少しどうなのかなあと思っちゃう所はありますね」

◆年下の男性

本当に真剣なお付き合いや結婚を意識すると、タイミングが重要になると話す松本。

松本「私、年下からもてるんですよ。ご飯とか行くぐらいですけど、でも好きって言ってもらっても結婚を考えると年下だとちょっと違うかなと思ってしまうんですよね。恋愛だけだったら全然行ってたと思うんですけど。

あと、結婚を視野に考えてるってのが伝わると引いちゃうような人は嫌だなと思いますね」

◆レスラー同士で結婚は、絶対イヤ!

職場恋愛から結婚するケースは業界に限らず多いものである。

プロレス界でもレスラー同士の結婚は少なくないが、松本はこれを拒絶している。その訳とは?

松本「レスラー同士のカップルはいいなと思いますし、すごい幸せそうだなと思うんですけど自分はちょっと違うかなと思います。レスラーの方をそういった目で見たことないし、同業の方とお付き合いしたこともないです。

プロレス以外の世界を沢山見てるから、外の人の素晴らしさもいっぱい知ってるし。自分が知らない世界を教えてもらいたいから、今はプロレスラーの方はちょっと違うかな。いやいや、そんな上から言うような立場でもないんですけど、違う業界の方がいいとは今は思ってます」

◆プロレスラーとして相手に理解して欲しい所

プロレスラーとして肉体面だけでなく、女性として美を追求する彼女。

しかしプロレスラーという特殊な職業は、常人では理解が出来ない事も。そのため付き合っていくうえで、相手に理解して欲しい事があるという。

松本「食事とかトレーニングは本当に細かく気にしてるので、それは知っといてほしいですね。栄養の摂取の仕方とか。『今日はさ、お酒飲まないよ』とか、『これは食べないよ』とか。結構細かく気にしているので、口を挟まずほっといてほしいなと思います。

あと試合とか見に来ないで欲しいですね。プロレスラーとしてのわたしを、一切知らないでもらいたいです。会場にいると、多分リング上で影響が出ちゃうっていうか、めちゃくちゃやりたいのに嫌われちゃうかなとか、気にしてパフォーマンスに影響出そうなんですよね。影響が出るなんて、プロじゃないなとは思うんですけど。

だからプロでいるために、一切関わらないで欲しい。今まで会った男性には初めにプロレスラーだって伝えちゃってたんですよね。それが良くなかったのかなと思います。やっぱ構えられちゃうし、一般の方が想像するプロレスラーとちょっと違うファイトスタイルをやっている自覚はあるので、好きになってくれる人の方が稀だと思うんですよね(笑)」

◆理想の結婚相手

プロレスラー松本都の結婚相手としては、どのような人がふさわしいのか?また本人が望んでいる人物像とは?

直球を投げかけてみた。

松本「私は今も結婚したことない立場で言わせていただきますが“別居婚”が良くて。夢がないんですけど、結婚する人と一緒に暮らせそうとは思えなくて…。自分が現役のプロレスラーのうちは、別居婚がいいです。週1回か2回くらい会うのがいいですね、毎日一緒だなんて気が狂うと思うんです、本当に。

毎日一緒にいてうまくいくとは思えないんですよ、自分の場合は。週1回か2回くらいが新鮮さを保てるし、お互いのことを好きでいれると思うので。子供ができたらそうは言っていられないと思うので、変わるとは思うんですけど。財布とかも別々にしたいし、相手の財布は気にしない」

◆結婚したら引退、それとも現役続行?

結婚後のプランはどうかという質問を行ったところ、意外な回答が返って来た。

松本「今が一番楽しいっていうのを毎年更新しているので、やめどきを決めないと一生やってしまうと思うんですよ。プロレス業界は、フェードアウトとかあまりなく、ちゃんと引退ってあるじゃないですか。だから結婚して引退という流れがいいかなとも思いますけどね。

どこかで一定のけじめをつけたいですね。他にもやりたいこともあるけど、プロレス楽しくて一生やっちゃうから(笑)」

◆松本都にとっての『幸せ』とは

リング上で異彩を放つ松本都は、リングを降りてもやはり異才の持ち主だった。

価値観や結婚観、他人には推し量れない独特の考えを語ってくれた。

最後に、自身にとっての幸せとはを聞いてみた。

松本「私の幸せは家庭とか子育てではなくて、本当にやりたい仕事を一生やるってことですね。もし結婚ができたとしたら、シッターさんだとか、そういう人に子育てとかを任せて仕事をしたい。それは今好きな仕事ができてるから、そう思うんでしょうけど。結婚して家庭に入りたいって気持ちが1ミリもないんですよ。

人と関わってお金稼いでないと、自分の世界が狭くなって駄目になっちゃう気がして…。プロレスは本当に楽しいし、プロレス興行のプロデュースも本当に楽しいから、それを一生やりたいっていう気持ちです」

<インタビュアー:山口義徳(プロレスTODAY総監督)>

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