骨髄移植で入院 誰にも会うことができないなか、夫の対応に「生きる力になった」

「ちょこの記録で始めたTwitter 1年で私が白血病に
骨髄移植で入院の3ヶ月は誰にも会えずもちろんちょこにも。

旦那が病室の窓から見えるスーパーの屋上に連れてきて散歩風でちょこを見せてくれた。今思えば屋上を犬散歩させてる人いないね。でも絶対またぎゅ―ってするんだって生きる力になった」
とTwitterに投稿したのはチワワのちょこ(@Chihuahua_choko)さん。

白血病を患い、2021年の春に入院したチワワのチョコさん。その際、誰にも会うことができず、不安な日々を送るなか、旦那さんがしてくれた行動に胸が熱くなったと言います。現在は退院し、3ヶ月に一度の血液検査と抗真菌剤の服用をしているそうです。
投稿をしたチワワのちょこさんに話を聞きました。

ー旦那さんのこの行動にとても感動しました!旦那さんにはちょこちゃんに会いたいと伝えていたのでしょうか?

主人にちょこに会いたいと伝えていたという訳ではなかったです。毎日夕飯の時間になると、テレビ電話をつないで家族の夕飯の時間は私も一緒にたわいもない会話をしていました。しかし、ちょこはテレビ電話が理解できないので話しかけても反応がなく、私が寂しそうにしていたのが主人に伝わり自然と散歩を見せるという行動になったのかもしれません。

ー旦那さんの行動に、投稿には「生きる力になった」とありましたが、具体的にどう感じたのかお伺いできればと思います。

私が見ていることはもちろんわからず初めてのお散歩コースかな?という雰囲気でまっすぐ前を見て歩いていたのですが、その健気な姿が胸をえぐられるような気持ちになりました。私にベッタリだったので(笑)早く元気に退院してたくさん甘えさせてあげなきゃ!と信じられないほどパワーになりました。吐き気でほとんど食べられなかったご飯もその日は頑張って完食したのを覚えています!

ー退院後、ちょこちゃんに会うことができたときのことについて教えてください。また、ちょこちゃんの様子などもお伺いできればと思います。

退院の際は家族みんながちょこと私の再会に注目していました。何も知らないのはちょこだけでしたので。
ドアを開けた瞬間「ん???」という感じで私を凝視した後「キューン」という鳴き声がしばらく止まらず尻尾はお尻ごと飛んでいきそうなほどフリフリしていました。私の顔をぺろぺろしようと必死でしたがまだまだ感染対策が必要だったので、距離を保ちながらの再会でしたが、家族全員が心から幸せを感じる瞬間でした。この時ほど強く家族が一緒にいられるだけでいい、他に何もいらないと思えたことはなかったと思います。

ー骨髄移植の手術時、大変だったことはありましたか?

骨髄移植は移植前に自分の造血幹細胞を致死量ギリギリまでなくすための抗がん剤、放射線治療をします。そうしなければ、新しく頂くドナーさんの造血幹細胞を自分の細胞が追い払ってしまうので。白血球が0になるんですよ(笑)
ベッドの目の前に便器、洗面台がある2畳ほどの無菌室では目の前の便器に座るだけで心臓がバクバクで息切れ。便座でお腹に少し力を入れるだけで上からも出てきてしまうので同時進行で横を向いて洗面台にもたれかかる。食事は丸1ヶ月近く口から取れませんでした。そんな時でも毎日朝太陽がのぼってくると自然と涙が出てぜったい今日も生きるんだ!と自分に言い聞かせました。
清潔を保たなければいけないので熱がない限りは毎日無菌室のお風呂に入るのですが、腰のあたりをさすりながら「ドナーさん、ありがとうございます」と毎日感謝の気持ちを口にしていました。

ー骨髄移植をされて同じような状況の方に伝えたいことなどはございますか?

血液の病気は多岐にわたるので一言でまとめられるものではありませんが、医療は日々、信じられないほど進歩しています。どうかあきらめないでください。 献血やドナー登録の呼びかけをこれからもしていきます。気持ちを強く持ってください。絶対に諦めないでください。私からのお願いです。

ー今回の経験から多くの方に知ってほしいことなどはありますか?

この記事を読まれた大半の方はきっとこんな大変な思いをした人がいるんだ…という感想になると思います。2年半前までの私もそうでしょう。でも突然当事者になりました。夢の様でした。毎朝、夢じゃなかった…と思いました。
もし、あなたが少しでも興味を持ってくださったらぜひ献血に行ってください。年々、献血をする方が減っています。病気だけではなく、突然の事故でも輸血によって命が救われることがたくさんあります。骨髄バンクのドナーさんを待ちながら毎日病室で必死に生きている人たちが沢山います。のぞいてみていただけると嬉しいです。

現在は「家事や仕事をしながら家族の時間を大切に過ごしています」と語るチワワのちょこさん。骨髄移植をした経験を無駄にしないためにも、骨髄バンクのドナー登録を増やすことや献血への理解を広めたいと模索中だそう。
チワワのちょこさんの呼びかけには、実際に「息子がたくさんの輸血で助けていただきました」とコメントが寄せられていました。チワワのちょこさんの願いが、多くの人に届くことを願います。

ほ・とせなNEWS編集部

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