犬は『人の死』を理解する?飼い主が亡くなった時に感じる気持ち、やりがちな行動とは?

犬は『人の死』を理解できるの?

私たち人間は、他人の『死』を理解することができます。では長い歴史上、私たちと共に生きてきた犬たちはどのように感じているのでしょうか。

現段階で犬たちが「死んでしまったから、もう一生会えない」と、『人の死』を理解することは難しいと考えられています。

ただし、いつも一緒にいた飼い主が自分の側からいなくなってしまった、会えなくなってしまったことは理解できるため、抽象的に「いなくなった」と理解することはできるようです。

飼い主が亡くなった時に犬たちが感じる気持ちとは

前述したように、犬は飼い主をはじめ人の死を理解することはできません。しかし、いつも一緒にいた飼い主やよく会う人と会えなくなったことに対して、気持ちの変化は生じます。

多くの場合には飼い主が亡くなった時、大好きな飼い主に会えなくなったことで「寂しい」「会いたい」という気持ちが生じやすいです。

また、中には自分を置いていなくなった飼い主に対して、「絶望」「悲しい」といった気持ちが沸き起こることもあると考えられます。

飼い主が亡くなった時に犬たちがやりがちな行動3つ

一般的に飼い主が先立ってしまった場合、飼い犬たちにはどのような変化が現れるのでしょうか。ここでは、飼い主が亡くなった時に犬たちがやりがちな行動を3つ紹介します。

1.元気が無くなり活動量が減る

飼い主が亡くなってしまった後、多くの犬たちは数日も経たないうちに元気が無くなる様子を見せ始めます。毎日一緒に過ごしていた飼い主と、ある日突然に会えなくなってしまうのですから、ひどく落ち込み寂しさを感じる犬も多いでしょう。

同じ場所から動かず活動量が減ってしまう犬も多く、中には飼い主がいつか帰ってくるのではないかと玄関付近に座り込み、そこから動かないという行動を見せる犬もいるようです。

2.食欲不振に陥る

元気が無くなると同時に食欲もなくなり、ドッグフードを食べなくなってしまう犬も少なくありません。新たな飼い主として引き取った人が困ってしまう事態に陥るケースもあります。

犬も精神的な状態が食欲に直結することは多く、栄養失調で痩せ衰えたり、食べていないために元気も体力もなくなり、活動量がさらに減るといった悪循環に陥ることも。

このような状態になってしまった場合は、かかりつけの動物病院に相談し、点滴などで栄養を補給しつつ精神的なケアに努める必要があります。

3.ウロウロと部屋の中を歩き回る

飼い主に会えなくなってしまった寂しさや悲しさ、ストレスを紛らわすため、部屋の中をウロウロと常に歩き回る行動を見せる犬もいます。これを『常同行動』といいます。

環境に大きな変化が訪れた時、ストレスを緩和させるために落ち着きのない行動を繰り返す犬は多く、他にも前足を舐め続ける、しっぽを追いかけ回す、穴を掘る仕草を繰り返すなどの不思議な行動が挙げられます。

自分が先立ってしまった時のことを考えて対策を

多くの飼い主さんは愛犬が先立つことを想像していると思いますが、飼い主側にもいつ何が起こるかわかりません。もしも自分が先立ってしまった時のことを今から考え、自分がいなくなった後も愛犬が路頭に迷わないよう対策することが大事です。

  • 引き取ってもらえるよう家族や知人にお願いする
  • 遺書にペットを引き取ってもらう相手について記載する
  • 引き取り先に負担付贈与が渡るよう明記する
  • ペット信託で死後も愛犬の生活を保証してもらう

基本的には飼い主の家族や知人に引き取ってもらうケースが多く、この場合は愛犬の飼育を放棄されないよう法的な手続きを取ったり、お世話にかかる必要な費用を贈与という形で渡せるよう、遺書やエンディングノートに明記する必要があります。

また、引き取り手が見つからない場合は、生前にペット信託で死後も愛犬の生活を保証してもらうサービスに加入する方法も1つの手段です。

近年、こうしたペット保険サービスも増えているので、1人暮らしの方は特に自分の死後のことを考えて加入を検討しましょう。

まとめ

いかがでしたか。犬は『死』という概念を持っていないため、飼い主が亡くなったこと自体は理解できません。しかし、大好きな飼い主と会えなくなった寂しさや悲しみを感じます。飼い主として少しでも愛犬のために死後のことを考え、対策を講じておきましょう。

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