道警ヤジ訴訟札幌高裁判決 原告1人の賠償命令取り消す もう1人は道に賠償命じた地裁判決支持 当時の安倍総理演説中にヤジ飛ばし道警が排除

いわゆる「道警ヤジ排除裁判」で札幌高裁はきょう、一審判決の一部を取り消しました。この裁判は、4年前の参院選の際、当時の安倍晋三総理の演説中にヤジを飛ばし、道警の警察官に強制的に排除された当事者の男女2人が排除は違法などとし、道に賠償を求めたものです。去年3月、札幌地裁は原告2人の訴えをほぼ全面的に認め、道に88万円の支払いを命じる判決を言い渡しましたが、道警側は排除の正当性を主張し控訴していました。きょうの判決で札幌高裁の大竹優子裁判長は原告男性に対し、周囲の聴衆や警察官が注意しても大声で連呼をやめなかった状況では、警察官が取り囲んでそのまま移動させた行為は適法だとして、一審判決を取り消しました。

原告の大杉雅栄氏「あの事件(安倍元総理の襲撃事件)がなかったら、おそらく裁判所の判断は変わらなかったんじゃないかと思う」

一方で、原告女性に対する警察官の排除行為やつきまといは必要な範囲を超えていて違法であるとして、一審判決を支持し道警側の控訴を棄却しました。

© テレビ北海道