塩野義ゾコーバ、シェア6割に コロナ飲み薬

塩野義製薬の新型コロナウイルス感染症の飲み薬「ゾコーバ」(同社提供)

 塩野義製薬が開発、販売する国産唯一の新型コロナ感染症治療薬ゾコーバの使用が拡大し、国内のクリニックなどで処方されるコロナ用飲み薬のシェアで6割を占めていることが22日、分かった。先行して承認された米国製の2剤と違い、重症化リスクのない多くの人が服用できる点が寄与した。今夏の再流行が懸念される中、治療薬の活用が進む可能性もある。

 国内のコロナ治療薬は現在、塩野義のゾコーバのほか、米メルクのモルヌピラビル、米ファイザーのパキロビッドの計3種類ある。

 医療従事者向けサイトの運営を手がける「エムスリー」の調査では、コロナ用飲み薬の処方全体に占めるゾコーバの割合は6月12~18日の1週間平均で59.5%に上った。2月上旬までは10%台にとどまっていたが徐々に伸び、18~39歳を中心に幅広い世代が使用する。

 ゾコーバは政府が200万人分を購入し、今年3月には一般流通も始まった。症状が消えるまでの期間を約1日短縮する効果がある。妊婦には処方できず、高血圧や高脂血症の薬の一部とは併用できない短所もある。

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