仙台市の住宅地で相次ぐクマの目撃 アーバンベアが増加

仙台市の住宅地でクマの目撃が相次いでいて、専門家は山から出てきて都市に現れる都市型のクマ、アーバンベアが増加しているとして注意を呼び掛けています。

中津川夏帆記者「近くに住宅街もある中学校の隣の道路で、クマが1頭目撃されました。中学校の裏にある山に入っていったということです」

21日午後4時ごろ、泉区寺岡2丁目の寺岡中学校東側の路上で遊んでいた小学生5人が歩いているクマを目撃しました。小学生たちは後ずさりして逃げたため、けがはありませんでした。

近所の人「信じられない。毎日朝散歩している。後ずさりするしかないですよね」

仙台市では、今週に入ってから青葉区霊屋下や泉区北中山などの住宅地でもクマが相次いで目撃されています。

宮城県によりますと、4月1日から6月21日までに住宅地で10件のクマの目撃が確認されているということです。

森林総合研究所東北支所大西尚樹さん「アーバンベアが増えている理由として考えられるのは、山の中でのクマの個体数が増えてきたこと、それに伴って分布域が広がってきたことが考えられる。クマは50年前までは全国的に少なかった。当時は保護策が全国的に行われていて、クマの数が増えた。一方、50年間で有害駆除を行うハンターが減った。増えるスピードに対して駆除が追い付いていないため、クマの数が増えている」

クマの出没は夏がピークですが、冬眠開始時期の11月ごろまでは警戒を緩めることはできないと注意を呼び掛けています。

森林総合研究所東北支所大西尚樹さん「市街地で出会った場合は、自分の車に乗ったり障害物をクマと自分との間に挟んだりすることが大事であると思う」

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