ウィル・スミスの息子ジェイデン、フォーミュラEのマシンカラーリングをデザイン

 2022/2023年ABB FIAフォーミュラE世界選手権“シーズン9”第12戦ポートランドE-Prix開催を控えた6月21日、ラッパー、俳優、歌手、ファッションデザイナーとしても活動するジェイデン・スミスがマシンカラーリングをデザインしたフォーミュラEマシンが披露された。

 ジェイデンは、アメリカの俳優ウィル・スミスの長男で、昨年7月に行われたニューヨークE-Prixにゲストとして登場して以来、フォーミュラEの熱心なファンとしても知られている。

 これまでフォーミュラEはマイアミ、ロングビーチ、ニューヨークとアメリカ国内のさまざまな都市で開催されてきたが、今週末はいよいよオレゴン州の最大都市ポートランドでの初開催を迎える。ポートランドでの初開催を記念し、ジェイデン・スミスとの新たなコラボレーションが実現した。

 ジェイデンは今回、今季より導入されているフォーミュラEの第3世代マシン“Gen3”のカラーリングデザインを制作。このGen3は、戦闘機の空力フォルムにインスパイアされた破壊的なデザインを持ち、フォーミュラEのレースが開催されるストリートサーキットでのホイール・トゥ・ホイールに特化・最適化が行われているマシンだ。

ジェイデン・スミスが手がけたカラーリングが施されたフォーミュラE“Gen3”マシン

 パフォーマンス面では、フォーミュラE史上最速となる最高速度322km/h(理論値)を誇る。レースで使用されるエネルギーの40%以上を回生ブレーキでまかない、最大出力350kW(470BHP)の電気モーターによる電力効率は、内燃エンジンの約40%に対し、約95%を達成するフォーミュラ・レーシングカー史上最も効率的な車両になっている。

 また、フォーミュラカーとして初めてフロントとリヤにパワートレインが搭載され、リヤの350kWに加え、フロントに搭載された新パワートレインで250kWを追加し、前世代シャシー“Gen2”の2倍以上となる合計600kWの回生能力を実現している。

 さらにレース中の追加エネルギーとして、世界最先端商用充電器の約2倍となる600kWの超高速充電機能にも対応する。このフロントパワートレインと回生能力の追加により、リヤに油圧ブレーキが搭載されない初のフォーミュラカーとなった。

ジェイデン・スミスが手がけたカラーリングが施されたフォーミュラE“Gen3”マシン

 今回お披露目されたデザインは、「ジェイデンの世界で最も持続可能なモータースポーツへの情熱と、教育と環境に対する共通のコミットメントにインスパイアされたもの」とのこと。実際にGen3マシンに施され、第12戦の舞台となるポートランド・インターナショナル・レースウェイ内にフォーミュラEが設けているアリアンツ・ファン・ビレッジで展示され、現地を訪れたファンも直接目にすることができるとのことだ。

ジェイデン・スミスが手がけたカラーリングが施されたフォーミュラE“Gen3”マシン。21日にはプロビデンス・パークにもサプライズ展示された
ジェイデン・スミスが手がけたカラーリングが施されたフォーミュラE“Gen3”マシン

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