「早くて便利」も認知度は? 相鉄・東急直通線開業から3カ月 新横浜駅の現状を追う 

相鉄・東急直通線の新横浜駅改札口へ足早に向かう利用者=横浜市港北区

 相模鉄道(横浜市西区)と東急電鉄(東京都)の直通線開業から3カ月が経った。相鉄線羽沢横浜国大駅から東急線日吉駅までを結ぶ約10キロの路線で、開業時は県央や横浜市西部から都心へのアクセスが向上すると注目を集めていた。果たして、相鉄・東急直通線の利用者は増えているのか? 新設された新横浜駅(横浜市港北区)で、現状を追った。

 6月中旬の平日。通勤時間帯が一段落した午前9時半ごろにもかかわらず、改札口へ急ぐ人の波は絶えない。目立つのは、大きなバッグやトランクを持つ利用者だ。藤沢市湘南台に住む娘に会いに、関西方面から来た50代の女性は、初めて相鉄新横浜線に乗車した。「思ったよりも早くて便利」。これまでは横浜市営地下鉄ブルーラインで湘南台から新横浜まで向かっていたが、相鉄新横浜線だと約14分短縮できたという。東海道新幹線で帰路につくとし、「また(神奈川へ)来たときは乗りたい」と笑顔で話した。

 相鉄・東急直通線が開業したのは3月18日。開業により相鉄、東急、東京メトロ、東京都交通局、東武鉄道、西武鉄道、埼玉高速鉄道の計7社局14路線がつながった。県央や横浜市西部から都心への利便性向上に加え、新横浜駅で東海道新幹線との接続が実現。中部・関西方面への移動もスムーズになった。

 一方で、認知度は途上のようだ。仕事のため、氷川台駅(東京都)から東京メトロ副都心線の直通運転で東急新横浜線に乗った20代女性は「スマホで経路を検索して初めて(東急新横浜線を)知った」とこぼす。相鉄・東急直通線の乗車経験がある横浜市港北区の60代男性も「とにかく名前が分かりづらい」。開業後は新横浜駅構内の動線が複雑になったといい、「どこのエスカレーターがJR線につながっているのか…。使いにくくなった」と指摘する。

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