散歩中の犬に出会っても「基本スルー」すべき理由とは?あらゆるトラブルを回避するための行動

散歩中の犬に出会っても「基本スルー」がお薦めな理由

  • 愛犬の散歩中に他の犬に出会ったから挨拶をさせようと思った
  • 出先でお散歩をしている犬に出会ったから触らせてもらおうと思った

他の犬を見るとこのようについ挨拶含めて接近・接触をしてしまいたくなる方は多いと思いますが、基本的には接近・接触というのはやめることを推奨します。

なぜならそれは、その先に待っている悲惨な事故を防ぐ最大の手段だからなのです。

「愛犬同士を挨拶させようと思ったら、相手の犬を噛んでしまった」
「愛犬同士を挨拶させようと思ったら、相手の犬に噛まれた」
「それを止めようとしたら、自分も相手の飼い主も噛まれた」
「相手の犬と飼い主さんが近づいてきて襲われた」

このような投稿は、日常的によく見かけます。

しかしこれらの事故は、「近づかない」「触らない」を徹底することで事前に防げる事故です。わざわざ近づいて・近づけて、接触させて回避できるはずの事故を発生させる必要はどこにもありません。

「触ってもいい?」は飼い主ではなく犬に尋ねる

そもそも犬を触るのであれば触られる本人つまり犬に許可を得るのであって、間接的な存在である飼い主に聞くものではありません。

犬が触ってもいいよという合図を示したうえで、次に犬の所有者にあたる飼い主にも合わせてお伺いするというのがマナーと礼儀です。

例えばあなたが別の誰かと一緒に歩いているとしましょう。そこに別の誰かが近づいてきて、あなたと一緒にいる相手に対して「あなたのお連れさますごくキレイな髪をされていますね、触ってもいいですか?」と聞いてきたとします。

この時点でおかしいと感じませんか?

あなたの髪がキレイだから触りたいというのであれば、他者ではなくあなた本人に許可を伺うべきです。しかし、そうではなくあなたと行動を共にしていた他者にあなたの髪を触ってもいいかを確認しているのです。

そしてあなたは「え、知らない人に髪を触られるなんて嫌だ…」と思っているのに、一緒に行動を共にしていた他者が「ありがとうございます!いいですよ!」と言って許可を出してしまいました。

どうでしょう?びっくりしませんか?それで髪をわさわさ好きに触られたとなれば抵抗したくなりませんか?挙げ句の果てに「やめてください、髪を触られるのは好きではありません」と伝えているのにそれを無視され続けたらどうでしょう?「もう!いい加減にしてください!」と言って手を払いのけるのではないでしょうか。

これと同じ状況が犬にも起こっているのです。

犬だから我慢して触られろ、というのはあまりにも犬の気持ちを無視していると思います。犬にも気持ちがあります。お人形ではありません。気持ちを尊重すべき生き物です。触ってみたいや犬同士を挨拶させてみたいと思ったときは、飼い主ではなくまず当人である犬に確認する必要があるのです。

難しい犬のボディランゲージを学ぶより簡単なこと

「犬に尋ねる」といっても、犬語を自分たちが喋れるわけではないのにどうしろと?と思いますよね。

そこでぜひ勉強していただきたいのが「犬のボディランゲージ」です。「犬のボディーランゲージ」「カーミングシグナル」という言葉で検索をすると、いろんな本や記事がヒットしますので、ぜひそのようなもので勉強することをお勧めします。

また最近は「ウェビナー(ウェブ(Web)とセミナー(Seminar)を合わせた造語。オンラインセミナーを指す)」という便利な方法で、ドッグトレーナーがボディランゲージについて教えてくれる機会もあります。

犬の目、耳の向き、高さ、筋肉の緊張、体の向き、しっぽの高さや振り方、口角の長さ、足の向き、足が上がっているか地面についているか、などたくさんの見るべきポイントがあります。さらに犬の身体全体と前後の状況を観察し、その時その瞬間犬がどのように感じているかを判断していかなければなりません。

いかがでしょうか?すごく難しくて面倒で嫌になる人もいるかもしれませんね。

そうです。ボディランゲージを読み取るというのはとても勉強が必要で、一朝一夕で読み取れるものではありません。

ではどうすべきか?「近づかない・接触しない」を徹底するだけです。

まとめ

犬同士の事故だけでなく犬と飼い主の悲惨な事故というのは、結局のところ、不用意に近づく・接触するということがなければ回避できるものです。

犬は関係なく、人間同士で「こんにちは」と挨拶を交わすのは、人間同士のマナーとしてはあるでしょう。しかし、そこに犬を当てはめてはいけません。

「挨拶なのだから我慢させるべきだ、そうしつけるべきだ」という事を言う人もいますが、本文で紹介したように、無許可であなたの髪に他人が触る状況をぜひ想像してみてください。果たして我慢させるべきことなのでしょうか。

噛んだ・噛まれたという状況では、襲った犬も襲われた犬も辛い経験でしかありません。それを回避できるのは、リーシュを持って管理している飼い主さんだけなのです。

穏やかなお散歩を楽しむためにも、むやみに近づくのではなく、基本的には「近づかない」「接触しない」を徹底して、飼い主さん同士で会釈する程度にしておきましょう。

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