旅人へひとこと

美味しいだけじゃなくレトロまで味わえるお店で出会った「えびめし」を紹介します。

目的は「えびめし」！新見駅から歩いて行ける洋食の名店

この日私は、伯備線の駅のひとつ『新見駅』へ向かいました。

目的はただひとつ、岡山の郷土グルメ「えびめし」を食べること。駅から5分程度で到着する『にいみショッピングタウン』へ向かいます。

ショッピングセンターの角にそのお店はありました。

『いんでいら』

インド砂岩っぽい壁の色と店名がぴったり。ノスタルジックな赤い幌は、レトロ好きの心をぐっとつかんで離さない空気を醸し出しています。

店名から想像させられるのは“インド料理店”。しかしメニュー表を見ると、いろいろなものが食べられる洋食屋のそれです。

外観のレトロさを裏切ることなく、店内でも懐かしさが散りばめられています。運ばれてきたスプーンやテーブルの上のセッティングは昭和そのもの。昔ながらの喫茶店かデパートの食堂かと一気にタイムスリップできるレトロ仕様です。

渋谷で生まれた「えびめし」

岡山の「えびめし」を語る前に、この料理のルーツについて簡単に。

「えびめし」は、創業70年弱を迎える渋谷道玄坂の店『いんでいら』で生まれました。現在も発祥店であるこの店舗では「元祖えびめし」という名前で食べられます。

デミグラスやソースを使ったえびめしソースでごはんを炒めた料理です。カレー屋らしく、スパイシーなカレー風味もあり、甘くスパイシーな風味が食欲をそそります。

黒っぽいごはんの上には鮮やかな錦糸卵。上には刻んだインゲンが飾られています。

香ばしいごはんをよりまろやかにしてくれる卵トッピングでバランスもばっちりです。

別添え、別注のコールスローも人気。シャキシャキキャベツ、クリーミーなドレッシング、ぷちっと食感の良いとうもろこし。酸味が少なく食べやすいサイドメニュー。

これもいんでいら名物と言っていいでしょう。ぜひ注文したい料理です。

岡山の『いんでいら』は洋食屋？誰もが食べられるピラフ風「えびめし」

さて、早速今回熱く語りたいのが岡山で食べた「えびめし」。

見た目はほぼ渋谷の「元祖えびめし」と変わりありません。

少し違うのは、こちらは錦糸卵ではなくゆで卵。あちらがいんげんなのに対してグリーンピースであること。

しかしパッと見はさほど変わりなく、むしろそっくりです。ごはんのボリュームも同じくらいでどちらも食べ応えがあります。

具はシンプルに海老と玉ねぎだけ。コールスローは合い盛りになっています。運ばれてきた際バターの香りをまとってあつあつで運ばれてきます。お米ひと粒ずつがソースでしっかりコーティングされ、その味はデミグラスやソースのよう。カレー味は風味付けといった感じです。

渋谷のカレー専門店『いんでいら』は、はっきりと“インド料理屋のピラフ”と言えたのに対して、岡山・新見『いんでいら』は“洋食屋が提供するピラフ”の様相。

渋谷はスパイシー感が強く、岡山は子どもも食べられるマイルドなピラフにまとまっていました。

『渋谷いんでいら』、『岡山いんでいら』、どちらも甲乙つけがたいおいしさ。元祖をベースに岡山独自の味に発展した「えびめし」は県民に愛される味となり、定着してきました。このお店でも沢山あるメニューの中で6割ほどの人が注文する人気料理。

『岡山いんでいら』は、ショッピングセンターという家族連れも多い立地であることから、誰もが食べられるような味に少しずつ変化させていることも考えられますね。

これからもこの味が受け継がれ、岡山グルメのひとつとして、多くの人たちに受け入れられる味へと少しずつ変化させながら、ますます愛されるご当地グルメになっていくでしょう。

えびめし提供店を食べ歩くのもいいかも

「えびめし」を提供しているお店は、岡山市内などを中心に多店舗展開を行っている渋谷の元祖店からその味を持って帰った『えびめしや』をはじめ、喫茶店などでも食べることができます。それぞれが元祖の味を忠実に守り、努力を重ねて「えびめし」を岡山に根付かせてきた実力店。今ではえびめしが、岡山グルメのひとつとして名を馳せるまでになりました。

これからも長く受け継がれ、磨かれて、岡山の味としてますます人々に愛される味になっていくことを願っています。

おみやげに持って帰れる「えびめし」もある！

出会ってしまったこの味に、すっかりトリコになってしまった…！

そんな時に、家で楽しめる「えびめしの素」もあります。

駅や空港の売店などで購入することが可能です。白ごはんさえあれば、色んな具を入れて好みのアレンジもできますね。家でも旅気分を楽しめるおみやげに、買ってみてはいかがでしょうか。

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いんでいら

〒718-0003 岡山県新見市高尾２４７７−１

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＊この記事は2023年4月時点の情報を基に作成しています。

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ライター：西村 愛