高岡名物「大仏焼」に後継者 中田さん(富山)3代目へ奮闘中

大仏焼を作る中田さん(左)。右は見守る藤本さん

 高岡大仏をかたどった焼き菓子「大仏焼」を受け継ごうと、富山市の中田晶子さん(52)が藤本慶藏さん(82)に弟子入りした。2代目の藤本さんは高齢から引退を決め、後継者を探していた。中田さんは来春に引き継ぐ予定で、「自分の色を出しながら、高岡の名物菓子を守っていきたい」と意気込んでいる。

 「大仏焼」は、鋳物メーカー・北辰工業所(高岡市戸出栄町)の定塚康宏社長が取締役だった約25年前、高岡の地域おこしにつなげようと考案した。定塚社長から引き継いだ藤本さんは、約20年にわたって高岡大仏の参道や朝市で販売を続けてきた。

 中田さんは2人の子どもが独立したのを機に、何か新しいことに挑戦したいと考えた。ちょうどその時、北日本新聞の記事で藤本さんが後継者を募集していることを知った。大仏焼になじみはなかったものの、接客業の経験があり、神社や寺が好きだったこともあって興味が湧いた。

 3代目を目指し、5月中旬から藤本さんと店に立ち、生地のレシピや焼き方を学んでいる。新メニューの開発や、親子で楽しめる体験会などの構想も練り始めている。藤本さんは「とても心強い。自由に楽しみながらやってほしい」と期待。中田さんは「受け継がれてきたものを大切にしつつ、新たな視点も取り入れながら大仏焼を広めていきたい」と話している。

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