赤字4740万円…3千万円超の旅費交通費や会議費 さいたま市PTA協、日本PTA全国協に公開質問状 疑問の数々

さいたま市

 埼玉県のさいたま市PTA協議会(市P協、郡島典幸会長)は22日、上部団体の公益社団法人日本PTA全国協議会(日P協、金田淳会長)宛てに、公開質問状を提出したとホームページ(HP)で公表した。2022年度予算に対して、4740万円の赤字を計上していることや3千万円を超える旅費交通費と会議費についての説明を求めている。

 公開質問状は21日付。22年度予算では、「5085万円もの差異が生じ、4740万円もの赤字を計上するに至った経緯」についての詳しい説明と理事会によるチェック体制の有無の回答を求めた。本年度開始時点で、未払い金・未払い費用が1395万円に上っているとして、明確な理由の説明を要請している。

 全国大会や教育支援などを除く管理部門で、旅費交通費2353万円、会議費739万円に上った説明のほか、妥当性の検証を実施したか、三役や理事が把握していたかの回答を求めた。雨漏りによる緊急の修繕工事について、見積もりや契約書、領収書を三役と理事会は確認、承認しているかの回答も求めている。

 一方、その他として、「さいたま市PTA協議会に問い合わせがある『一部の日P事務局員や役員の方々について、さいたま市PTA協議会の構成員なのか』という質問については、現時点で構成員ではないことを明確に回答いたします」と記載している。関係者によると、市P協の元役員らが日P協の事務局員や賛助会員として所属している。

 日P協は23日、東京都内で、23年度定時総会を開催する。市P協は総会の資料の送付を受け、不明点を書面で質問。質問のやりとりの内容、回答のない場合はその旨もHPで公開するとしている。

 市P協は今年3月、使途不明金1079万円の発覚を公表。今月17日の定期総会で、真相解明と再発防止に取り組む方針を示した。

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