対馬市長「活断層考慮を」 昨年対馬近海に存在判明 議員からの指摘受け答弁 核ごみ問題巡り

 原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場の適地を示した国の「科学的特性マップ」について、長崎県対馬市の比田勝尚喜市長は22日の市議会一般質問で、昨年判明した対馬近海にある活断層の存在を「考慮してほしい」と述べた。
 経済産業省が2017年に公表したマップでは、周囲の火山や活断層の状況などを基に地域を分類。輸送面も加味し、対馬市は処分場建設に「好ましい地域」とされた。処分事業を担う原子力発電環境整備機構(NUMO)などが、説明会でマップを使用している。
 一方、政府の地震調査研究推進本部が昨年公表した海域活断層の地震予測「長期評価」によると、対馬近海にそれまで想定されていなかった活断層の存在が分かった。周辺区域でマグニチュード(M)7.0以上の地震が30年以内に起きる確率は、1~3%と示された。
 脇本啓喜議員(市民協働)は、NUMOが対馬での説明会でマップを示す際、活断層の存在を踏まえていないと指摘。比田勝市長は「活断層があることで、地震が絶対にないとは言えない。(マップ作成と長期評価公表の)時期的なずれはあるが、NUMOの方でもう少し、もんで(考慮して)いただければ」と応じた。

© 株式会社長崎新聞社