【漫画】勝手に声が出る チック症状と戦う5歳娘と家族の逸話「家族の絆を感じた」感動する人続出 作者語る

新学期がスタートしたある日、年長に進級する5歳の娘が「うん、うん、うん」と声を出すチック症状を見せ始める。娘のチック症状を緩和させようと色々な手立てを打つ中で、さまざまな困難に直面しながら、家族の絆がさらに強まっていく物語を描いた作品『娘にチックが出た話』。実体験をもとに描かれたこの実録エッセイに感動の声が続々!

結婚、出産、育児…。いろいろあるけど、毎日が楽しくて愛おしい!優しい気持ちになれるコミックエッセイ『アラフォーまきこのごゆるり家事』

アラサーの日雇い経験を作品にした『アラサー独身女、今日も日雇いで生きてます』や、結婚後の家事や日常を描いた『アラフォーまきこのごゆるり家事』など、自身の経験をもとにした作品を数多く手掛けてきた漫画家の柿ノ種まきこさん(@kakinotane_m)。今回、取り上げた『娘にチックが出た話』も、今年の3月に実の娘であるなごみさんに起こった出来事を作品化している。これまでの作風と少し違う、こうした作品を描こうと思ったきっかけは何だったのだろうか。柿ノ種さんに話を聞いた。

『娘にチックがでた話。』-01

止めようとするより、見守ってあげたい

チック症状をテーマとする作品を描く上で、どのような部分に意識しながら創作に臨んだのだろうか。柿ノ種さんは言う。「できるだけ、娘に起きたことを脚色せずそのまま描こうと思いました。そして、わたしが感じたこと、行動したこともありのまま描いて、あくまでも個人の一体験として読者の方に読んでもらいたいなと思っていました。チックはこういう症状でこうしたらいいとか、そういうものではないので。症状も付き合い方も千差万別なので、ただの体験談として描くように意識しました」と、繊細なテーマであるだけに、各所に配慮しながら作品づくりを行ったと話す。

『娘にチックがでた話。』-02

また、これまで柿ノ種さんが描いてきたユーモラスな作風とは異なり、家族に起きた切実な問題を描こうと決めた理由については、次のような話をしてくれた。「今回漫画を描くことで、実際にお子さんがチックになられた方、またご自身がチック症を経験されたり現在もその症状と向き合っている方から多くのコメントをいただきました。そこで改めて感じたのは、チックは“無数にある心を落ち着かせる行動のひとつ”ということです。世の中に本当にいろんな人がいますよね。わたしは小・中学生のとき、貧乏ゆすりが止められなくて、その癖が無くなるまで随分時間がかかりました。まわりを見渡せば、髪の毛を触る癖がある人、決まった毛布がないと眠れない人、コーヒー無しでは生きられない人……とか、いろんなことで心を落ち着かせている人がいます。なごみ(娘)にとってチックは、そういった心を落ち着かせる行動のひとつなので、止める必要もないし、このまま見守っていければなと思います。 現在、チックで悩んでいる方にも漫画を読んでそういった気持ちになってもらえたら嬉しいです」

『娘にチックがでた話。』-03

現在、娘のなごみさんについては、「初めてチックが出てから3ヶ月ほど経ち、現在は日によって出たり出なかったりしています。外で遊んでいる時などはほとんど出ませんが、疲れが出た時や家でゆっくりしている時に出ます。本人はあまり気にしていないようなので、親としてもこのまま見守って行こうと思います」と話す。この作品が、チック症で悩む人々の希望になることは間違いないだろう。

<柿ノ種まきこさんInformation>
▶Twitter /
https://twitter.com/kakinotane_m?s=20
▶instagram /
https://www.instagram.com/kakinotane_makiko/
▶書籍『アラフォーまきこのごゆるり家事』
https://www.amazon.co.jp/dp/4046822937

(よろず~ニュース特約・橋本未来)

© 株式会社神戸新聞社