独独のモノトーン 写真家の山口さんが個展 自然から人工物、ごみも被写体に/岡山・奈義町

岡山市在住の写真家・山口聡一郎さん(63)の個展「ニュー・ネイチャー」が17日、岡山県奈義町豊沢の町現代美術館で始まった。独特のアングルで切り取ったモノトーンな組み写真が訪れた人を魅了している。7月17日まで。

山口さんは1985年からフリーランスフォトグラファーとして東京都を中心に活動。2002年から岡山に移住し、身近な自然を中心とした作品を発表している。今回は写真をコピー用紙に印刷し、防腐剤やニス、ボンドなどを施して光沢や立体的な効果をつけた74点を展示した。

吉井川流域の景色を収めた「クリアーウォーター」、鳥取、高知県の海岸の漂流物を撮った「ビーチ」といった四つのテーマで展開。生き物や風景の美しさだけでなく、川の中に沈んでいた車、岸辺に落ちていた電球などの人工物やごみも被写体にすることで、海辺や川辺の環境保護の大切さを静かに訴えている。

兵庫県から来た下山修さん(78)は「独特の雰囲気が伝わり、見応えがある。初めて来ておもしろい作品に出合えた」と話していた。

また、同館のカフェテリアにはなぎビカリアミュージアムとタイアップした作品も並ぶ。山口さんは「吉井川で撮影した作品は津山のみなさんにとっても身近なテーマで、親近感がわくのではないかと思う。写真愛好家はもちろん、美術全般が好きな人も楽しめるのでぜひ来てほしい」とPRしている。

© 津山朝日新聞社