燃費はリッター295キロ! 高専の車両が全国3位に 独自開発マシンで雪辱果たす/岡山・津山市

岡山県津山市にある津山高専の内燃機関部チームが設計・制作した車両が、三重県鈴鹿サーキットで10日に開かれた「Hondaエコマイレッジチャレンジ2023第36回鈴鹿大会」グループⅢ(大学・短大・高専・専門学校生クラス)で3位入賞を果たした。

同大会(ホンダモビリティランド主催)は、ホンダ社の50ccエンジンをベースに創意工夫を凝らした車両で低燃費を競う。

総合理工学科と専攻科・機械・制御システム専攻の学生でつくる同部チームは、前回大会で完走できなかったマシンを改良し、独自開発のマイコン制御によるエンジンコントロールシステムやトルク測定装置、ディスプレーを搭載して出場した。

16チームがエントリーしたグループⅢで、コース8周の17・6キロメートルを完走した8チーム中、同部の車両は平均時速29・8キロで走行し、ガソリン消費量わずか59・5cc、燃費295・959キロメートル/リットルをマークしてトップ3に食い込んだ。同大会には過去5回出場し、2018年に1度完走しているものの上位入賞は初。

CFRP(炭素繊維強化プラスチック)などで軽量化した車体(約45キロ)とほぼ同体重でドライバーに選ばれた総合理工学科2年・奥村樹さん(16)は、学内の道路で運転練習し、シュミレーターでコースの勾配や形状を把握して初挑戦。「細部までコンピューター制御された上、ディスプレーで速度や燃料の噴射量も一目で分かって運転しやすく、ピットとのコミュニケーションもとりやすかった」と振り返る。

チームマネジャーの専攻科2年・山本有真さん(22)は「トルク不足から上り坂で止まってしまった前回を踏まえ、勾配に関わらずエンジン出力を平均的に発揮できるよう調整したのが功を奏した。いい結果を残せてうれしいが、後輩たちにはさらに頂点を目指してほしい」と話した。

鈴鹿のコースを快走する内燃機関部の車両

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