血まみれの孫と祖父母、半裸で白昼を徘徊する目が虚な村人…『みなに幸あれ』特報映像

昨年第1回が開催された、日本で唯一のホラージャンルに絞った一般公募フィルムコンペティション「日本ホラー映画大賞」(主催:KADOKAWA)の初大賞受賞作品である『みなに幸あれ』が、清水崇を総合プロデュースに、古川琴音を主演に迎えて2023年に映画化される。このほど、特報映像、そして新キャストとして松大航也の出演がお披露目となり、松大と下津監督よりコメントが寄せられた。

本作は、「誰かの不幸の上に、誰かの幸せは成り立っている」という、人類の宿痾と言ってもいい根源的なテーマが根底に流れる作品。とある村を舞台に、この世界の特異な成り立ちに疑問を持った古川演じる主人公が行動を起こすが、逆にどんどん追い込まれていく様を描き、「この世界にはある法則が存在する。それを知らないと死ぬことになる…」という得体の知れない恐怖と対峙することになる。

特報映像では、田舎に住む祖父母を訪ね、久しぶりに家族水入らずの幸せな時間を過ごしていた古川演じる“孫”。にこやかに微笑む優しい祖父母と過ごす穏やかな時間も束の間、ゆっくりと確実に不穏な影がこの家族に忍び寄る。血まみれの孫と祖父母、半裸で白昼を徘徊する目が虚な村人、炎に包まれ横たわる人ー次々と挟み込まれる、得体の知れない「何か」、そして、その存在に翻弄されていく孫。今まで観たことのない映像表現の数々に一瞬も目が離せなくなる映像となっている。最後に満面の笑顔を浮かべる孫に一体何が起こったのか?「日本ホラー映画大賞」の大賞を受賞し、ホラーファンの期待も高まっている本作より、期待を全く裏切ることのない特報映像。今回、下津監督も新たにコメントを寄せており、タイトルにこめた“希望と皮肉”、そして本作のテーマの根幹となる想いを明かしている。また、松大航也も主人公・孫の幼馴染の役で本作に出演することが明らかとなった。

▼キャスト&スタッフ コメント

■下津優太(監督)
理想ばかりを描いているだけでは何も解決しません。現実と向き合い受け入れることは非常に苦しみを伴う作業です。「みなに幸あれ」という題には、希望と皮肉の意味を込めています。この問いに対して『現実を受け入れ、理想を描き続けること』を希望として捉えました。この地球上には『地球上感情保存の法則』というものがあるらしく、地球上に生きる家畜・動物などを殺すことにより、地球上に負の感情が溜まり、それにより人間は負の行動を起こしてしまうのだと。意図的に不幸な人を作り出すことにより、私たちの幸せは成り立っているのだと。
今より1ミリでもよい社会になることを信じて、映画の持つパワーを信じて、何よりこの企画と自分自身を信じて、消費される映画ではなく、残る映画を作りたい。必ず作り手の思いは、受け手に伝わると信じています。

■松大航也(主人公の幼馴染役)
今回、映画の「幼馴染」役を演じることになりました。この作品では「犠牲」「幸せ」がテーマの作品でホラーというジャンルでありながら、とても考えさせられる作品です。自分が演じた「幼馴染」は、社会の仕組みには入ることができず、どうしようもない現実を突きつけられていても、それでも本作のテーマである「幸せ」をよく考えた人物です。ぜひ観ていただく方々にホラーとして楽しんでいただくことはもちろん、なにか心に残すことができたらなと思います。「みなに幸あれ」ぜひ多くの方に観ていただけたらなと思います。

『みなに幸あれ』
2024年公開
原案・監督:下津優太
総合プロデュース:清水崇
脚本:角田ルミ
出演:古川琴音 松大航也
配給:KADOKAWA

【ストーリー】 看護学生の“孫”は、ひょんなことから田舎に住む祖父母に会いに行く。久しぶりの再会、家族水入らずで幸せな時間を過ごす。しかし、どこか違和感を覚える孫。祖父母の家には「何か」がいる。そしてある時から、人間の存在自体を揺るがすような根源的な恐怖が迫って来る…。

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