最高時速20キロの低速電動車で夜の世界遺産をスロー探検 奄美市がツアー実証実験 希少動物の観察スポット、環境負荷の低減期待

 鹿児島県奄美市は、世界自然遺産の奄美大島で希少野生生物の観察スポットになっている同市住用の市道・三太郎線で、夜間ツアーに低速の電動車の活用を検討する。環境保全の強化が目的。26日から実証実験する。

 市によると、電動車は「グリーンスローモビリティ」と呼ばれるゴルフカート状の7人乗り。最高時速20キロの低速、静音で希少動物の交通事故死対策や環境負荷の低減が期待できるという。1台を民間団体から無償で借り受けた。

 実験は26日から7月7日まで複数回、市職員やガイドが約11キロの同線を走る。バッテリーの持続時間などを調べ、ツアーに利用できるか検証する。7月中旬から2週間は同市住用役勝エコロードでも試走する。

 環境省や市が6月22日、三太郎線の利用状況の報告会で明らかにした。市世界自然遺産課の信島賢誌課長は「課題や基礎データを得たい」と話した。

 三太郎線では2021年10月、混雑や生物の交通事故死を防ぐため、夜間通行台数を1時間当たり事前予約した4台に規制するルールを導入した。

〈関連〉奄美市が実証実験で使う電動車「グリーンスローモビリティ」(同市提供)

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