接種希望の想定上回る 男性に子宮頸がんワクチンで助成 接種費用約5万円を全額 千葉・いすみ市

いすみ市役所

 子宮頸(けい)がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)のワクチン接種について、4月から千葉県内で初めて男性の接種費用を無償化した千葉県いすみ市で、想定の7倍以上の36人(21日時点)が接種を希望していることが、市健康高齢者支援課への取材で分かった。

 性交渉を介してHPVに感染することから市は、感染を防ぐには男性の接種も必要だとして、公費で定期接種できる女性と同じ小学6年~高校1年相当の男性へ、3回分の接種費用約5万円を全額助成する。

 先行自治体で接種事例が少ないことを踏まえ初年度は5人を見込み、約25万円を予算化。本年度対象になる男性約640人へ通知文を送るなどしてワクチン接種の意義や助成制度を案内すると、21日までに36人から申し込みがあり、このうち6人が1回目の接種を済ませた。

 想定を大きく上回る接種希望者に同課は「女性を守ろうと、保護者の理解があるのでは」とし、保護者が接種を勧めているとみる。娘と同じタイミングで息子も接種したいと話す保護者もいたという。

 予算額を超えたがいまのところ助成は打ち切らず、全体のワクチン予算の中で対応する。HPVワクチンには肛門がんや中咽頭がんなどの予防効果もあり、同課は「ワクチンを理解した上で接種してもらいたい」としている。

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