小池百合子都知事、フォーミュラE開催で「東京の環境問題への対応をPRしていきたい」/記者会見

 6月23日、東京都の小池百合子都知事の定例記者会見が行われた。そのなかで小池都知事は、記者からの問いに答えるかたちで、2024年3月30日(土)開催が決定したABB FIAフォーミュラE世界選手権の東京大会/東京E-Prixについての受け止めを語った。

 6月20日にスペイン・コルドバで開催されたFIA国際自動車連盟のWMSC世界モータースポーツ評議会にて、ABB FIAフォーミュラE世界選手権の来季2023/2024年“シーズン10”の暫定カレンダーが承認され、東京都江東区有明の東京ビッグサイト周辺にて開催を目指していた東京E-Prixが、2024年3月30日(土)に第7戦として開催されることが決定した。

 フォーミュラEの日本初開催は史上初であり、また日本国内における四輪自動車/レーシングカーによる本格公道レースの開催決定も史上初ということもあり、東京での開催決定は大きな話題となった。

 そんななか、開催決定発表後の6月23日に行われた東京都の小池都知事の定例記者会見でも、記者より「特に国内では市街地レースの話がいろいろと浮かんでは消えてきたなか、今東京でEVレースの開催が決まったということに関して知事の考えを伺いたい」という質問も飛んだ。

「今回、我が国で初めてフォーミュラEの世界大会の開催地として東京が正式に決定されました。大変嬉しく思っております。東京がEVの世界最高峰のレースにふさわしい場であると、また環境問題に積極的に取り組んでいる都市であることを発信できる絶好の機会ではないかと考えております」と小池都知事はコメント。

「開催することで、ゼロ・エミッション・ビークル(ZEV)の普及それからゼロエミッションの取り組みに弾みをつけたい。そして東京の環境問題への対応のポテンシャルをPRしていきたいというふうに考えております。来年の3月30日、フォーミュラEを実際にご覧いただければというふうに思いますし、やはりこういった取り組みがイノベーションにも繋がっていく。また、EVというこれからますます世界での競争が激しくなる分野でもありますので、ここを実際に見ていただければというふうに思います」

 また、小池都知事は、近年急速な進化を遂げ、情報機器化しつつある自動車の未来についても言及した。

「EVもそうですし、新しいクルマは走るだけでなく、情報とコネクトしてるというのが一番のポイントです。今日(の会見で)はChatGPTのお話はありませんでしたけれど、これからの時代は、AIが行き先を教えてくれるとか、美味しいお店を探してくれるとか、クルマはただの移動手段ではなく、情報ツールが動くのだと。それによって今度は(そのクルマの)充電などをどうするのかとなると、街の様相も変わってくるわけです」

「そういうことを考えますと今回、フォーミュラEの開催地となりましたけれども、いろいろな意味でこれからのモビリティやライフスタイル、街作り、そしてその情報ツールの作り方など。燃料がガソリンなのか、合成燃料なのか、水素なのかだけではなく、自動車そのものが実は情報機器なのだということをよく捉え、これからの都政で注意しなければいけないこと、都政として後押しができることなど、考えて進めていきたいというふうに思っております」

2023年11月には東京・お台場の特設会場でフォーミュラEの前世代車両“GEN2”が元F1ドライバーの山本左近衆議院議員の手でデモランされた
2022/23年フォーミュラEシーズン9モナコE-Prixの決勝スタート
ミッチ・エバンス&サム・バード(ジャガーTCSレーシング)
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