能勢電鉄が「妙見の森関連事業」終了へ 国内では珍しい「標準軌」のケーブルカーが廃止に

兵庫県川西市の「妙見の森ケーブル」(写真:barman / PIXTA)

兵庫県に本社を置く能勢電鉄は2023年6月23日、妙見の森関連事業の営業を終了すると発表。同日付で近畿運輸局長宛に鋼索線(ケーブル)の廃止届を提出しました。

営業を終了するのは妙見の森ケーブル(黒川~ケーブル山上)、妙見の森リフト(ふれあい広場~妙見山)、妙見の森バーベキューテラス(妙見の森バーベキューテラスなど)です。

鋼索線(ケーブル)については2024年6月24日の営業をもって廃止すると届け出ていますが、公衆の利便を阻害するおそれがないと認められた場合は廃止日が繰り上がる可能性があります。リフトとその他事業は鋼索線(ケーブル)と同日に営業を終了します。

能勢電鉄によりますと、同社は鋼索線(ケーブル)・索道線(リフト)の営業だけでなく、妙見山上で広場やバーベキュー施設、足湯などを整備するといった様々な営業施策を実施してきましたが、通年にわたる安定した集客にはつながらなかったということです。

コロナ禍の影響もあり事業環境が厳しさを増すなか、今後も営業を継続するには大規模な更新投資が必要となる見込みで、これ以上の営業継続は難しいと判断。営業終了が決まりました。

妙見の森ケーブルは、日本では珍しく標準軌を採用していることでも知られます。国内で同じ特徴を有するのは、ここ以外では静岡県の十国峠ケーブルのみです。

© 株式会社エキスプレス