「サブスク彼女」紺野彩夏と望月歩が充実の撮影を振り返る! しかし、インタビューは思わぬ展開に…?

ABCテレビで放送中のドラマ「サブスク彼女」。“本命として選ばれない”むなしさと、「好き」という言葉で恋愛感情を“搾取”され続けてきた苦い体験から脱するため、“サブスク彼女”というサービスを始めた主人公・トモの物語は、周囲の人々を巻き込みながらクライマックスへと向かっています。

TVガイドWebでは、放送スタートに先駆けて主演の紺野彩夏さんにインタビュー(https://www.tvguide.or.jp/feature/feature-2188196/)を敢行しましたが、最終回を前に、紺野さん、そしてトモに思いを寄せるコースケを演じる望月歩さんを直撃。無事に撮影を終えた2人に、撮影期間を振り返ってもらいました。

――クランクアップしてから少し時間がたったと伺いましたが、撮影期間はいかがでしたか?

紺野 「すごく活気のある現場でした。撮影自体も(スケジュールが)キュッとしていた分、嫌悪なムードになることも全然なくて。『いいものを作り上げよう』というのが全員から感じられた現場だったなと思います。望月くんはいつも元気だったよね(笑)」

望月 「もちろん役のこともあって『元気にしていなきゃ』というのもあったんですけど、本当に一瞬で終わったなという印象でしたね。撮っていないシーンがあるんじゃないかと思うぐらい、いつの間にか『あ、今日最終日だ』という感じでした」

――今回、お二人は初共演になりましたが、クランクインする時とクランクアップした時でお互いの印象は変わりましたか?

望月 「すごく変わりました。いい意味で、なんというかこう…」

紺野 「今、“いい意味で”って前につければいいと思ったでしょ(笑)」

望月 「(笑)。本読みでお会いした時に、静かでお仕事を淡々とこなされているイメージだったんですけど、意外とかわいらしい部分があって。そういうところに、コースケがトモのことを好きになったきっかけにも通じていたのかなと思いました」

紺野 「望月くんは、最初はおとなしい印象だったんですけど、しゃべってみるとすごく明るいし、ふざけたりもするんです。最初もコースケっぽいと思っていたけど、話すうちに日に日に“コースケさ”が増す感じはありましたね。『役のままだな』と感じることが多かったです。にじみ出る“いい人感”みたいなものが、そのままコースケという役に乗っかっている感じがありました」

――撮影で印象に残っているシーンを教えてください。

望月 「意外と(トモと)2人で会うシーンが多くて。なーちゃん(寺本莉緒)、スミレさん(逢沢りな)と込み入った話をしていった後、トモと2人で会うことが多かったので、その変化を楽しみながら2人でできた芝居がすごく印象的で楽しかったです」

紺野 「私もいろいろあるのですが、第7話のラストでなーちゃんに呼び出されるシーンは、彼女の心情が一番強く出ているところだなと一緒にやっていて感じたので、そこはすごく印象に残っています。ほっこりするところでいくと、最初に居酒屋でコースケと会うシーンは、高校時代のトモの感じが出ている感じがして、そこもすごくいいなと。あとは、最終話でやっていて恥ずかしくなっちゃうぐらい、『今までのはなんだったんだろう』みたいなシーンがあって。まだ詳しくは言えないんですけど、それもやっていてすごく印象に残っています」

望月 「そのシーンは僕としても役者としても、めちゃくちゃ楽しかったです。コースケとしても、やっとトモの本音が聞ける、うれしいところだなと思っていたんです。でも、『こうなったらトモを泣かせたい。ぐちゃぐちゃにさせたい』みたいなセリフを言うんですけど、現場で紺野さんと話していたら『このセリフはちょっと…』みたいな感じになって(笑)」

紺野 「私本人としては、ちょっと受け入れられない(笑)」

望月 「撮る前にですよ? これからめっちゃ近い距離でやるっていう時に(笑)」

紺野 「そこだけはちょっと…(笑)。私としては、最初と比べると言葉のチョイスも変わってきているから、トモに対して『急に何を言っていらっしゃる?』と感じたことをずっとしゃべっていた気がします」

望月 「僕は台本読んだ時に、『あ、キャッチーな言葉を使うな』と思ったんです。でも女性目線で見ると、そういうふうにもとれるんだなって」

紺野 「それが好きな女の子もたくさんいると思う。ただ、私とメークさんだけは引っかかっちゃった(笑)」

――メークさんも引っかかっていたんですね(笑)。

紺野 「メークさんも『ん?』ってなってました。『なんか、これ言われたら冷めるかも…!?』って」

望月 「そりゃあ現実で考えたらそうなるよね(笑)。ドラマでぜひ見ていただきたいシーンです」

――写真撮影でもお二人の仲の良さを感じたのですが、撮影中に距離を縮める出来事みたいなものはあったのでしょうか?

紺野 「トモの部屋での撮影だと、朝から夜までずっと一緒に撮影していたよね」

望月 「僕個人としては、なーちゃんとトモとコースケの3人のシーンで、寺本さんが『紺野さんって普段なんて呼ばれてるの?』みたいな話をしていて。それを見て『あ、こうやって距離を縮めるんや』と思っていました」

紺野 「え、そんなところ見られてたの(笑)」

望月 「それはすごく助けられたかも。2人が仲良くなっていく中で『じゃあ僕も』みたいな(笑)。バレないくらいに外側から近づいていったんですけど、それはありがたかった。僕としては(仲良くなる)きっかけだったのかなと思います」

――現場で盛り上げ役のような方はいましたか?

望月 「スタッフさんのイメージがあるなぁ」

紺野 「スタッフさんか、(ヨリ役の)内藤(秀一郎)くんだね。内藤くんがいろいろな人にいじられて、それが一つの笑いになることは多かったです。スタッフさんも元気な方がすごく多くて、私はそれに便乗する感じでした」

――本作のテーマでもある「サブスク×彼女」という設定はかなり斬新だったと思いますが、撮影を終えた今、その設定に印象の変化はありますか?

望月 「言葉だけ聞くと、題材的にはちょっとドロドロしてしまう昼ドラのような雰囲気なのかなと思うんですけど、そうではなくて。その軽やかさがすごく面白くて、その軽さが台本にもあったからこそ、このドラマはできたのかなと思います」

紺野 「最初にトモがサブスク彼女を思いついた時って、台本を読んでいても『とんでもないな』『突拍子もないな』と思ったんです。でも、それを経たことでトモ自身が気づけたこともたくさんあるから、サブスク彼女をやってよかったのかなと感じました」

――第1話ではトモからコースケに「私、サブスク彼女なんだよね」と言われるシーンもありましたよね。望月さん本人としては、あのシーンにはどんなことを感じましたか?

望月 「悲しいとかではなくて、『は?』というのが一番だと思います(笑)。出会ってすぐではなくて、ずっと好きだった人がいつの間にかそうなっているから『いや、意味が分からない』となると思いますし、コースケとしてはトモのことが好きだった期間が長いわけじゃないですか。だから、僕本人としてもそういう期間があったら、コースケみたいにやめさせようとするのかなと思います。既存のサービスに参加しているのだったらどうしようもないけど、『今始めました!』とかなら『今なら間に合うかもしれない!』と考えると思います」

――「サブスク彼女」はトモが突拍子もなくサービスを始めるところから物語が動いていきましたが、「突拍子もなく、思い切って始める」という部分にかけて、お二人が今後挑戦してみたいことを教えてください。

紺野 「1週間ぐらい海外に行きたいですね。フランス、イタリア、タイ、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、行きたい国は結構あるのですが、ただ(日本から)出たいだけかもしれません(笑)。もともと海外の文化がすごく好きで、そういうものに触れてみたいです」

望月 「僕は、今ご一緒している作品の共演者の方と『スカイダイビングをやりたいね」と話していたんです。バンジージャンプは飛んだことがあるんですけど、もっとすごいスケールでやってみたいなと。あとは、1人暮らしをやってみたいです。いろいろな人と話しているうちに、いろいろ幅が広がる部分もあるなと思って。もちろん、実家にもすごく感謝しているので、『やってみたい』ぐらいの気持ちで今は考えています」

――実家から抜け出すのは結構大変じゃないですか?

望月 「そうなんですよね(苦笑)。去年、ロケで数週間地方に行かせていただいた時に初めて洗濯機を回したんです。でも、回し方が分からなくて、母親に『これどうやって回すの?』って電話を入れて」

――(「うそでしょ?」という表情を見せる紺野さん)。

望月 「電源を入れて、服を入れて、洗剤を入れて、スタートボタンを押したら終わっていて、『え、めっちゃ簡単じゃん!』と思ったんです。今までは感謝していたんですけど、簡単すぎて洗濯は感謝しなくてもいいのかなと思いました…あれ?」

――(かなり引いている紺野さん&ザワつく周囲のスタッフ)。

望月 「でも、それは母親に言いましたもん! 『干すところは確かに難しい。そこはすごく感謝しているけど、洗濯することに関しては機械だから』って。だから、いつも『干してくれてありがとう!』と言っています」

――…紺野さん、今のお話を聞いていかがですか?(笑)。

紺野 「まず、干して畳むまでが洗濯ですからね」

望月 「そうですよね、すみません…」

紺野 「あと、1人分じゃなくて(実家だと)人数分ありますから。倍の量を洗って干す作業までが洗濯なので。大変ですよ? (洗濯機を)2回回したりするんだから」

望月 「確かに、そうですね…」

紺野 「梅雨の時期とか大変だからね?」

――最後に、最終話の見どころを教えてください。

紺野 「なーちゃん、スミレ、ヨリ、コースケ、トモがそれぞれたどっていく道も、5人がそれぞれ関わったことで変わっていく未来もあると思うので、トモとコースケがどうなるのかはもちろん、それぞれが出した答えがどうなるのかを見ていただけたらいいなと思います」

望月 「第7話までで、スミレさんとヨリくん、なーちゃんとヨリくんが決着をつけていって、話が終わりに向かっている中で、コースケとトモのことは何も解決せずにずっと話が進んでいるんですね。そこが『こうなってほしいな』という期待を持って見ていただけるとすごく楽しめるのではないかなと思います。最後まで楽しんでいただきたいです」

取材後記&裏話

写真撮影では仲のいい様子を見せ、インタビュー冒頭も撮影を振り返りながら懐かしんでいた紺野さんと望月さん。しかし、望月さんの“洗濯発言”に、インタビュー直後の紺野さんからは「衝撃だよ」と思わず本音が(笑)。望月さんは「冗談ですよ!? 冗談です! 本当はそんなこと思ってないですから!」と必死に釈明するも、その温度差は歴然。「洗濯が簡単なら全部自分でやりなよ」という紺野さんからの重い一言に、望月さんもタジタジな様子…。そんな2人のやりとりを見た周りのスタッフからも最後まで笑いが飛び交っていました。

【プロフィール】

紺野彩夏(こんの あやか)
1999年6月24日生まれ。千葉県出身。主な出演作に「仮面ライダージオウ」(テレビ朝日系)、「卒業タイムリミット」(NHK総合)、「個人差あります」(フジテレビ系)、「わたしの夫は―あの娘の恋人―」(テレビ大阪ほか)、「覆面D」(ABEMA)など。出演する「漫画家イエナガの複雑社会を超定義」(NHK総合)が現在放送中。また、雑誌「non-no」(集英社)の専属モデルを務める。


望月歩(もちづき あゆむ)
2000年9月28日生まれ。14年、WOWOWドラマW「埋もれる」で本格的デビュー。15年公開の映画「ソロモンの偽証」での怪演が話題になり、同年放送の「マザー・ゲーム」(TBS)では引きこもりの少年を繊細に演じた。その後、「コウノドリ」(TBS系)、「サイレント・ヴォイス」(テレビ東京系)、「3年A組-今から皆さんは、⼈質です-」(日本テレビ系)などの作品に出演。6月29日よりスタートのドラマ「量産型リコ -もう1人のプラモ女子の人生組み立て記」(テレビ東京系)、23年冬以降公開予定の映画「カムイのうた」への出演を控える。

【番組情報】

「サブスク彼女」
ABCテレビ
日曜 深夜0:55〜1:25
※放送終了後、TVerで最新話を見逃し配信!
※DMM TVでは全話独占配信中!

取材・文/平川秋胡(ABCテレビ担当) 撮影/蓮尾美智子

© 株式会社東京ニュース通信社