潜水艇事故、原因究明は長期化 「5人全員死亡」、関係国協議へ

潜水艇「タイタン」について記者会見する米沿岸警備隊の幹部=22日、米東部ボストン(ゲッティ=共同)

 【ニューヨーク共同】1912年に沈没した英豪華客船タイタニック号の残骸を見るツアー中の潜水艇の破片が海底で見つかった事故で、米沿岸警備隊の幹部は22日、原因究明に向け関係国の協議が必要となり、調査の長期化は必至との見方を示した。ツアー運営会社は22日、乗っていた5人全員が「死亡した」との声明を発表、同隊も弔意を表明した。

 潜水艇「タイタン」は18日朝、カナダ東部沖で潜水を開始して約1時間45分後に連絡が取れなくなった。米メディアによると、潜水艦を探知する米海軍のセンサーがその直後に同じ海域で破裂音を検出していた。海軍は潜水艇が水圧でつぶされた際の音だと推測しているという。

 沿岸警備隊の幹部は22日の記者会見で、捜索中に哨戒機が感知した海中で何かをたたくような音は潜水艇とは無関係だったとみられると明らかにした。

 幹部は事故原因の究明について「遠洋で発生した出来事で数カ国の被害者が関係しており、複雑な作業になる」と指摘した。それまでの間、破片が見つかった現場の状況を可能な限り調べるという。

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