ぜんそく医療費助成 川崎市議会常任委員会で廃止条例案が可決 制度維持求めた請願などは不採択

川崎市役所

 川崎市が市議会第3回定例会に提出した「成人ぜん息患者医療費助成制度」を廃止する条例案は23日、健康福祉常任委員会で、賛成多数で可決された。同委員会に付託された制度の維持や拡充を求めた請願と陳情は、共に賛成少数で不採択となった。同条例案は29日の本会議で採決される。

 市によると、制度の受給者は今年3月末時点で9161人に上る。2021年度の受給状況は、1人当たり年間平均で7.5回受診し、診療と薬剤で月額約900円(中央値)を負担しているという。現在は制度により自己負担1割だが、廃止後の経過措置期間を終えると原則3割負担となる。

 同委員会で小堀祥子氏(共産)は「1割から3割の負担になれば病院に行けなくなる人も出てくる。そういった人々の生活を想像しているのか」と追及した。市の担当者は「他の疾患と同様の原則3割負担となる。大変心苦しいが、丁寧に案内していく」と答弁するにとどめた。

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