音楽があふれるまち渋谷!ギタリスト佐橋佳幸とSETAが届ける「うたのカレンダー」  次回「うたのカレンダー」は6月30日に開催!

音楽と共存してきた渋谷の街

1970年代末から1980年代にかけてのライブハウス黎明期、渋谷には伝説とも言えるライブハウスがいくつか存在した。RCサクセションが4日間で800人という動員記録を樹立した渋谷屋根裏は、センター街入ってすぐの場所にあった。ブレイク直前のBOØWYがマンスリーライブを行った渋谷LIVE INN。目の前にある渋谷公会堂への登竜門とされ、多くのアーティストが羽ばたいていったegg man。

そんな音楽と共存してきた渋谷の街だが、ライブハウスだけでなく、路上演奏も数多く行われ、街には音楽が溢れていた。もちろん音楽のみでなく、かつては、東京国際映画祭が行われ、109は今も変わらず若者の流行発信基地だ。カルチャー全般において、その中心を担う場所であるが、渋谷カルチャーの中でも音楽が特に重要な要素であることは明白だ。

“音楽があふれるまちづくり” とは?

東急不動産が現在行っている桜丘地区再開発では、“音楽があふれるまちづくり” に向けて準備を進めている。

かつての渋谷の路上演奏は、そのほとんどが無許可で行われているという実態もあり、取り締まりにより演奏を中断される姿を見ることも珍しくもなかった。結果、次第に、渋谷の街から音楽が聴こえなくなっている現状があったのも確かなことだ。

この “音楽があふれるまちづくり” では、公共空間や民間施設の中で、公式に音楽を演奏できる場づくりと、良質かつルールをしっかりと守れるコンテンツの仕組みづくりをするという2点に重きを置き、再開発は進められている。

そして、この “音楽があふれるまちづくり” の中心的存在となっているイベントが「うたのカレンダー」だ。その始まりは4年前に遡る。渋谷スクランブルスクエア、渋谷フクラスが開業した2019年、渋谷の魅力向上と新たな発信に取り組む「まちびらき」が行政を中心に実施された。

一部地域では、渋谷区、警察、周辺テナント等と調整のうえ、通常では実施できない、公共空間におけるオフィシャル路上音楽ライブが行われた。

日本を代表するギタリスト佐橋佳幸がはじめた「うたのカレンダー」とは?

この「うたのカレンダー」の中心人物は日本を代表するギタリストのひとり、佐橋佳幸だった。佐橋は1983年、エピックソニーより当時先駆的なロックバンドだったUGUISSのギタリストとしてデビュー。

バンド解散後には渡辺美里のバックバンドに参加、楽曲制作などのサポートも担い、渡辺は絶大な信頼を寄せた。1991年にリリースされた小田和正の「ラブ・ストーリーは突然に」や1993年の藤井フミヤ「TRUE LOVE」といったミリオンセラーの楽曲にも参加し、ギタリストとしての腕前を高く評価される。

現在も藤井のツアーメンバーを務め、佐野元春や山下達郎など日本のトップミュージシャンからの信頼も厚い。

そんな佐橋がクリエイターのSETAとタッグを組んだ「うたのカレンダー」は、“季節に合った名曲を歌い継ぐ” フリーライブだ。2021年4月11日(渋谷東急プラザルーフトップ「CÉ LA VI」)からスタートし、以降も渋谷駅東口地下広場などの屋外フリーライブを毎月実施、配信サービスも行ってきた。フリーライブということもあり、多くのお客さんを楽しませたいという思いからか、セレクトされる楽曲は、多彩でありながら、誰もが知るヒット曲も多い。例えば、

「春よ、来い」(松任谷由実) 「赤いスイートピー」(松田聖子) 「少年時代」(井上陽水) 「クリスマス・イブ」(山下達郎) 「さらばシベリア鉄道」(大滝詠一)

など、季節の彩りに合わせた名曲の数々を、佐橋が奏でるあたたかさに満ち溢れたギターフレーズが渋谷の街に響き渡った。

次回「うたのカレンダー」は6月30日に開催。藤井フミヤの「TRUE LOVE」も演奏予定

現在、「うたのカレンダー」は TOKYO FMの番組「THE TRAD」内で “うたのカレンダーミニ生ライブ” が行われたり、渋谷駅東口地下広場でのライブでは、“青山学院軽音楽サークル” との連携が実現している。

そしていよいよ、次回の「うたのカレンダー」は6月30日(金)19時より、渋谷フクラス(旧東急プラザ)の「shibuya-san」で開催。大江千里の「Rain」をはじめ、この季節にぴったりの名曲の数々を演奏する。もちろん佐橋のキャリアの中で、代表作とも言える藤井フミヤの「TRUE LOVE」も奏でられるというから、このチャンスに移ろいゆく渋谷の街に思いを馳せながら、名曲の数々に酔いしれるのはいかがだろうか。

「うたのカレンダー」
開催:2023年6月30日(金) 開場:18:30
開演:19:00
会場:shibuya-san(渋谷フクラス1F)
出演:SETA、佐橋佳幸
*入場無料

カタリベ: 本田隆

アナタにおすすめのコラム都立松原高校出身「清水信之 / EPO / 佐橋佳幸 / 渡辺美里」つながる音楽のDNA

▶ 佐橋佳幸に関連するコラム一覧はこちら!

80年代の音楽エンターテインメントにまつわるオリジナルコラムを毎日配信! 誰もが無料で参加できるウェブサイト ▶Re:minder はこちらです!

© Reminder LLC