雨の白神山地、木肌に輝く潤いの筋 「樹幹流」ブナを伝う

雨がブナの幹を伝う「樹幹流」=23日、西目屋村のブナ林散策道

 白神山地に雨が降り注いだ23日、ブナ林では、葉に蓄えられた雨水がすべすべした幹の木肌を伝い、流れ落ちる「樹幹流」で木々が潤った。暗い森の中では流れの筋が輝いているように見えた。

 西目屋村の「世界遺産の径(みち) ブナ林散策道」は、木々の緑が濃さを増している。ブナ林に雨音が響く中、散策客らは樹幹流を見上げ、雨の日にしか見られない光景に森の豊かな営みを感じていた。

 白神山地ガイド会によると、ブナの葉や樹形は雨を集めるようにできているという。樹齢100年ほどの木が蓄える水の量は1トンほどと言い、地中では5~10トンとも。ブナ林の土壌の保水力の高さが、まさに天然のダムと言われるゆえんだ。

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