赤い羽根募金、20万5千円が所在不明 青森・田舎館村 原因分からず

会見で陳謝する県共同募金会の玉川常務(中)、田舎館村委員会の佐々木副会長(右)と木田事務局長=23日、県庁

 青森県共同募金会は23日、田舎館村共同募金委員会が2022年度に集めた赤い羽根共同募金のうち、20万5千円の所在が分からなくなっていると明らかにした。内部調査では、紛失か盗みかなどの原因を含め詳細が確認できず、21日付で黒石署に被害届を提出した。同会は、県内全市町村の共同募金委員会に、同様の事例がないかどうか点検を依頼した。

 県庁で、県共同募金会の玉川孝一常務理事、田舎館村委員会の佐々木満副会長と木田牧子事務局長が会見した。

 説明によると、同村委員会が5月25日に開いた22年度の募金活動実績報告会議で、出席した地区代表の1人から、同地区の募金実績がゼロになっていると指摘があった。この代表は、県共同募金会の公印付き領収書(額面20万5千円、22年10月11日付)を持っていたが、募金を管理する口座には該当する金額が入金されていなかった。

 内部調査では、現金を扱う可能性がある職員に複数回聞き取りを行ったが、募金の受け取りや入金などの具体的な過程が確認できなかった。

 募金を現金で受け取った場合は、相手に領収書を渡し、当日中(金融機関が営業時間外の場合は翌営業日)に口座へ入金する。同村委員会は、領収書の控えで募金の受け取り履歴を管理しているが、22年度分は村内21地区宛ての領収書の控え全てが事務所からなくなっているという。

 会見で、同村委員会の佐々木副会長は「地域や関係者の皆さまにご心配とご迷惑をおかけし、心からおわび申し上げる」と陳謝。県共同募金会の玉川常務は「不明金は共同募金事業への信頼を大きく下げ、今後の運動にも影響する。真摯(しんし)に受け止め、きちんと対応しなければならない」と述べた。

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