韓国で隣人トラブル 日本刀で相手手首を切断し殺害 過去にも類似事件があり刀剣管理のずさんさが明るみに

韓国の京畿(キョンギ)道光州市にある住宅街で22日、駐車スペース問題で争っていた隣人B氏(55)の手首を日本刀(真剣)で残忍にも切り落とし、死亡させた猟奇的事件が発生。駆け付けた警察官により、殺人容疑でA氏(77)を逮捕したと韓国メディアのwikitreeが報じている。

報道によると、光州市にある別荘地の駐車場でA氏とB氏が口論となり、A氏が自室から101センチの日本刀を持ってB氏に向かって振り回したと言う。その際にB氏の手首が切断され、出血多量による心肺停止状態に。病院に運ばれるも、死亡が確認された。A氏は過去に「高齢の武術家」「老人刺客」「テコンドーおじいちゃん」などと、テレビで紹介されたことのある人物だという。

そんな中、韓国では過去にも類似した事例があったことが判明。犯行道具や手法、被害部位はもちろん、加害者が武術家という点もそっくりであるため、当局の刀剣管理に「総体的な弱点があるのでは」という指摘が出ているようだ。

それは2000年7月のこと。ソウル麻浦(マポ)区城山の路上を酩酊状態で歩いていたC氏(21)は、携帯電話で妻と口論していた通行人のD氏(41)が、自身の悪口を言っていると勘違いし長さ1mを超える剣道用真剣を振り回し、D氏の左腕半分と右手首を切断。

C氏は京畿道高陽(コヤン)市にある剣道道場の師範で、この日は真剣でわらを切る練習を終えた後だったといい、友人と飲酒した後の帰宅途中でこの惨劇を繰り広げたことが分かった。C氏は犯行後、親戚の住むニューヨークへ逃亡しようと航空機に乗りこもうとしたが、空港に潜伏していた警察により逮捕されている。あまりにもインパクトの大きい事件であったため、当時マスコミに大々的に報道され「韓国2大柱」と呼ばれていた剣道団体のイメージが大きく失墜した。

刀剣は「銃砲・刀剣・火薬類などの安全管理に関する法律」により、刃の長さが15㎝以上になる刀・剣・やりなど「凶器」として使われることができるものをいう。しかし所持許可を受ける手続きは身体検査書と証明写真、刀剣の出所を証明する書類さえあれば可能だ。このうち、身体検査書は運転免許証の写しに代えることができ、刀剣の出所証明手続きもずさんである。

その理由に「銃砲に比べて殺傷力が弱いうえ、装飾用として使う場合が多い」と認識されているためと見られる。しかし、刀剣の殺傷力は銃砲に劣らないことが両事例で立証された。今後、該当の法整備が問われることになりそうだ。

(よろず~ニュース・椎 美雪)

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