京都府福知山市中心部で5月下旬以降、6件の不審火が相次いだ事件で、うちホームセンターへの放火に関与したとして市内の男子大学生(19)が、建造物等以外放火の疑いで23日逮捕された。京都府警は他の不審火との関連を調べているが、不安な日々を過ごしていた地域住民は安堵(あんど)の表情を浮かべた。
「気が抜けない毎日だった。逮捕を知り、少し肩の荷が下りた気持ちだ」。不審火の現場が集中し、回覧板で住民に警戒を呼びかけてきた前田自治会の梅夛博実会長(65)は胸をなでおろした。
15日夜に全焼した愛宕神社(同市前田)周辺を管轄する市消防団雀部分団は、21日から夜間にパトロールを続けてきた。阪根孝則分団長(43)は「住民を不安にさせた行為は許しがたい。まだ全てが解明されていないので引き続き警戒したい」と気を引き締めた。
愛宕神社の近くに住む女性(68)は「地域はピリピリした雰囲気だった。夜が怖かったが、これで安心して眠れる」と語った。
17日深夜に府指定文化財のほこらなどが燃えた一宮(いっきゅう)神社の安井武典宮司(67)は「容疑者が捕まって一安心。動機が分からないので不安は残るが、事件後、夜に消防団が見回りしてくれたので感謝している」と話した。
前田地区に近い保育園に2歳女児を通わす同市東平野町の女性(27)は「安心して子どもを預けられる」と表情を緩めた。