村民手づくりの全国カヌー大会「白神カップ」20回の節目盛大に 青森県西目屋村

20回目となった大会で、巧みにパドルを操る選手たち=24日午後、西目屋村の目屋渓谷
ゲート審判員などをはじめ、地元のメンバーが大会運営を支えている

 全国のカヌー競技者がしのぎを削る「白神カップカヌー大会」が24日、青森県西目屋村の目屋渓谷で行われた。白神山地から流れる岩木川を村おこしに生かそうと、村職員や地元有志、県カヌー協会メンバーが手作りで運営し、今年で20回目を迎えた。約70人の選手たちは力いっぱい急流をこぎ抜け、スタッフらと一体で節目の大会を盛り上げた。

 大会の見どころは、旗門を順番通りにくぐり抜ける「スラローム」。トップレベルの選手が巧みにパドルを操り、水面を滑るように難所を次々と突破した。地元の白神カヌークラブに通う中学生も奮闘。初出場の須藤快さん(大鰐中2年)は「満足いく結果ではないけど、うまくできたところもあった」と笑った。

 白神カップは村主催で1998年に始まり、翌99年には日本カヌー連盟の公式戦「ジャパンカップ」を誘致し、同日開催している。ゲート設営や大会運営、審判員など大会の根幹は、同協会メンバーや村職員が手弁当で担う。新型コロナウイルスの影響などで中断した年もあったが、さまざまな部門を設け、競技力に関係なく誰でも参加できる大会として、現在は村の定番イベントとなった。

 オリンピアンで2017年に村に移住、現在村職員の矢澤一輝さん(34)は「間近でトップレベルの選手の技を見られるのは、地元の子どもたちに大きな刺激となる」。26年に青森県で開かれる国民スポーツ大会を見据え、現在週6日で腕を磨く西澤悠成さん(東目屋中2年)は「国スポで良い成績を取るために練習を頑張りたい」と語った。

 県勢の成績は次の通り。

 ▽男子スラロームK1 (2)矢澤一輝(西目屋村役場)75.86点(39)須藤快(白神カヌークラブ)(40)西澤悠成(同)
 ▽チームレース (9)白神カヌークラブ(須藤、西澤、矢澤)
 ▽ワイルドウオーター無差別艇 (1)滝吉・矢澤(白神カヌークラブ)54.39秒(2)西澤・須藤(同)58.07秒(3)須藤美恵子(同)1分36秒19

© 株式会社東奥日報社