巨大クルーズ客船が高岡に 乗客は富山県内観光へ

伏木外港に寄港したクルーズ客船「MSCベリッシマ」=高岡市伏木万葉ふ頭

 国内を運航するクルーズ船で最大級となる「MSCベリッシマ」(17万1598トン)が24日、富山県の伏木富山港に初めて入港し、高岡市の伏木外港に寄港した。伏木外港でクルーズ船を受け入れるのは2019年8月の「飛鳥II」以来約4年ぶりで、外国船籍では18年5月の「MSCスプレンディダ」以来約5年ぶり。日本人を中心とした2千人以上の乗客のうち希望者が思い思いの観光地へ足を運び、県内各地がにぎわった。

 MSCベリッシマはマルタ船籍で、船会社はMSCクルーズ(スイス)。全長約316メートル、高さ65メートル、幅43メートル、デッキは19階建てで、巨大なビルやマンションのような威容を誇り、伏木富山港に寄港したクルーズ船の中で最大となる。乗員は約1500人。

 ジャパネットサービスイノベーション(福岡市)がチャーターし、20日に横浜港を出港。日本を一周し釜山(韓国)にも立ち寄る13日間のクルーズで、函館、新潟を経て、24日午前7時半ごろに入港した。船内での歓迎式典には竹内延和県地方創生局長や角田悠紀高岡市長、ラウロ・マレスカ船長らが出席した。

 観光客はバスやタクシーで立山黒部アルペンルートや五箇山のほか、高岡市の瑞龍寺や山町筋、氷見市のひみ番屋街、射水市の内川周辺などへ向かった。

 国宝勝興寺(高岡市伏木古国府)では、伏木地区の観光ボランティアガイド「比奈の会」メンバーらの案内で、国宝や重要文化財の建造物を見学。友人とツアーに参加した愛知県半田市の水野雅子さん(64)は「本堂はベリッシマに負けないくらいの迫力がある」と、興味深そうに見入った。

 関係者以外は停泊場所に近寄れなかったが、伏木地区には大勢の見物客が集まり、万葉ふ頭緑地公園や伏木コミュニティセンター屋上から写真を撮ったり手を振ったりして楽しんだ。

 MSCベリッシマは24日午後4時ごろに出港し、次の経由地である鳥取県の境港へ向かった。同じコースのツアーで7月6日に再び伏木富山港へ寄港する。

全長約316メートルのMSCベリッシマ
思い思いの観光地へ向かうMSCベリッシマの乗客
MSCベリッシマの近くには観光バスがずらりと並んだ
少し離れた所から見ると巨大なビルやマンションのように見えた
MSCベリッシマを見送る出発式で演奏する高岡市消防音楽隊
伏木外港から出発するMSCベリッシマを見送る高岡第一高校ダンス部とチアリーディング部の生徒ら
境内を見て回る船の乗客=勝興寺

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