子どもへのバレー指導「怒りません」 豊後大野市を皮切りに県内で初の大会【大分県】

試合前、笑顔で声をかける指導者(右端)=豊後大野市千歳中体育館
強い口調で指導した指導者には口のイラストなどが入った特製マスクをしてもらうルールを採用
熱戦を繰り広げる選手

 【豊後大野】指導者が怒らず、子どもたちに伸び伸び楽しくプレーしてもらう小学生のバレーボール大会「つながるリーグ2023大分」が、県内でも開かれている。元全日本代表の益子直美さんが2015年に始めた「監督が怒ってはいけない大会」が前身で、県内では初めて。今月中旬にあった豊後大野市を皮切りに、12月まで計7回開催される。

 指導者の中には勝利を追い求めるあまり暴言などのパワハラ指導を繰り返す人もおり、子どもが萎縮して楽しくプレーできない弊害がある―として益子さんが前身の大会を立ち上げた。

 昨年からはさらに一歩進め、監督が怒らないことを前提に競技を通じて子どもや指導者、保護者、地域が結び付きを強める「つながるリーグ」を始めた。

 つながるリーグ大分は、指導方法を変えたいと考える指導者が率いる大分、豊後大野、津久見、佐伯、由布各市内の10チーム約120人が参加。ポイント制で総合優勝を決める。

 18日に豊後大野市千歳中体育館で開会式があり、主催する実行委の御手洗義信会長があいさつ。その後、同校と大野小の2会場に分かれ、総当たりで試合をした。

 指導者からは「ナイスサーブ」などと褒める言葉が多く聞かれ、熱くなって強い口調になった監督には注意として口のイラストが描かれた特製マスクが着けられた。

 松岡クラブjvb(大分市)の笹山光広監督(51)は「普段、ミスを叱る一方で、その倍は褒めている。このような大会が広がると指導者の意識が変わっていい」と話した。

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