「いつか行かなきゃいけない時が来る」中島啓太の後悔なき池ポチャ

16番の第2打は将来を見据えたショット(撮影/松本朝子)

◇国内男子◇ジャパンプレーヤーズチャンピオンシップ by サトウ食品 最終日(25日)◇西那須野CC(栃木)◇7036yd(パー72)◇晴れ(観衆1642人)

中島啓太は5週連続の最終日最終組の戦いを3位で終えた。3日間60台をマークし続けて迎えた日曜日に首位タイから「70」。通算22アンダーはプレーオフに2ストローク届かなかった。

シーズン2勝目を狙ったティオフ直後のパー行進に「少し悔いが残った」という。前半3番、グリーン左サイドに立つフラッグを攻めきれなかった。前半5番で右サイドからの第2打を池に入れてダブルボギーを先行させ、「(3番の第2打を)アグレッシブに打てなかった。成功していたら、(同じ左ピンの後半)14番も狙えたと思う。流れがうまくいかなかった。ドローボールの精度がもっと必要だと思いました」と唇をかんだ。

中島啓太は16番で初めてのウォーターショットに挑戦した(撮影/松本朝子)

3日目まで抜群の安定感を誇ったショットに、わずかにほころびが見えた展開でも「精神状態は安定していた」。虎視眈々と、隣の長野泰雅、前の組で回った谷原秀人をとらえるチャンスをうかがった。

もちろん視界の中心にあったのは2週ぶりの優勝。その中で、もっと先を見据えた一打があった。2打ビハインドで迎えた16番(パー5)、池に突き出た半島のようなグリーンを前にした2打目。4Iか5Iでグリーン手前エッジまで運ぶ安全策を捨てて、UTを握った。

「いつか“行かなきゃいけない時”をイメージした」と2オンを狙ったショットは、左に流れてビーチバンカー脇の水に浮いた。シューズと靴下を脱ぎ、初めて挑戦したウォーターショットもグリーンに届かず4オン。8mのパーパットを沈めてみせたが、タイトルはつかめなかった。

次週は北海道へ(撮影/松本朝子)

悔しさいっぱいの胸には今週も「最終組での優勝争いは勉強になることが多い」という思いがある。次週は北海道での「長嶋茂雄招待 セガサミーカップ」(ザ・ノースカントリーGC)。北の大地でもトーナメントを引っ張る。(栃木県那須塩原市/桂川洋一)

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