沖縄戦の悲惨さ胸に 創作劇上演 美作大・短期大学部県人会の学生

創作劇を通じ、沖縄戦の惨状を伝える学生たち

 美作大・短期大学部(津山市北園町)沖縄県人会の学生が25日、20万人以上が犠牲になった太平洋戦争末期の沖縄戦を題材にした創作劇「時をこえ」を同大体育館で上演した。市民ら約300人が観劇し、戦争の悲惨さや平和の尊さを改めて胸に刻んだ。

 沖縄の女子大学生が岡山の新聞記者に小学校教員の祖母と兵士だった祖父の戦争体験談を伝えるというストーリー。1、2年の有志32人が、逃げ込んだガマ(洞窟)に手りゅう弾を投げ込まれ多数の教え子を失った祖母の無念さや、ガマを警護中に赤ちゃんが泣きやまず敵に見つからないよう殺さざるを得なかった祖父の苦悩を迫真の演技で訴えた。

 同市、団体職員女性(25)は「学生の迫力で沖縄戦の惨状が生々しく伝わってきた。戦争や平和について自分自身の問題に置き換えて考えるきっかけになった」と話していた。

 創作劇は沖縄戦への理解につなげようと2013年から実施し、今年で11回目。

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