学習端末配備、支援学校は後回し 神奈川・群馬、専門家は区別不要

 小中学生に学習用端末を1人1台配備する「GIGAスクール構想」を巡り、神奈川県と群馬県の県立特別支援学校小中学部での支給が通常学校より後回しにされていたことが25日分かった。神奈川県は「1人ずつの専用端末でなくても教育活動に支障がなかった」、群馬県は「重度の障害児も使えるか確認したため」としている。通常学校と区別せず配備するのが原則で、専門家は「障害の有無で分ける必要は全くない」と指摘した。

 文部科学省によると、ほぼ全ての自治体が22年3月までに配備を終えたが、神奈川県の特別支援学校は現時点も未完了。タブレット端末は読み上げ機能があり、文字の大きさを変更できるなど、黒板や紙媒体での学習に困難を伴う場合のある子どもにも有用だ。

 群馬県は通常学校より2年近く遅れて22年度に配備が完了。県立の高校や中等教育学校は20年度に支給が完了していた。

 国立特別支援教育総合研究所の青木高光特任研究員は「障害児にこそ、それぞれの障害の特性に応じた活用を探るために専用端末が必要だ」と指摘した。

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