温泉文化 ユネスコ遺産登録へ活動 真庭で日本協会が会員総会

「日本の温泉文化」のユネスコ無形文化遺産登録に向けて活動していくことを決めた総会

 日本温泉協会(東京)の本年度会員総会が25日、岡山県内で初めて真庭市の湯原温泉で開かれた。温泉関係者約100人が参加し、「日本の温泉文化」の国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産登録に向けて活動を進めることを決めた。

 笹本森雄会長が4月に発足したユネスコ無形文化遺産登録を目指す全国推進協議会(同協会などで構成)を紹介し「早期登録へまい進していきたい」とあいさつ。議事ではユネスコ登録を重点目標に決め、各地で署名活動を展開して国民運動に広げていくことを確認。協会内に推進委員会を立ち上げたことも報告した。

 湯原、奥津(鏡野町)、有馬(兵庫県)、乳頭(秋田県)の各温泉地の代表ら5人がユネスコ登録をテーマにシンポジウムも実施。奥津温泉の宿・奥津荘の鈴木治彦社長は「国内でのムーブメントがまずは重要。日本の皆さんに親しんでもらい、温泉地が10年後、20年後にどうあるべきかをデザインする必要がある」と述べた。

 湯原町旅館協同組合の古林裕久理事は「各温泉地が培ってきたストーリーを大切にし、課題や悩みも共有して機運を盛り上げていこう」と呼びかけた。

 同協会は入浴、宿泊施設や企業の関係者、愛好者ら約1200人で組織。総会は国内の温泉地を持ち回りで年1回開いている。来年度は仙台市の秋保温泉で開催される。

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