岡山空襲の爪痕残る5カ所巡る 市民ら戦争の悲惨さ学ぶ

辻野さん(左)から空襲の体験を聞く参加者ら

 岡山市の市民グループ「岡山の戦争と戦災を記録する会」(片山和良会長)は25日、岡山空襲(1945年6月29日)で被災した建造物などを見学する「戦争遺跡めぐり」を市内で開き、市民ら6人が戦争の悲惨さを学んだ。

 岡山市中区東山の東山公園からスタート。焼夷(しょうい)弾の直撃で破損した玉井宮(同所)の石鳥居や、猛火で背中部分がひび割れた大福寺(同御成町)の大地蔵など、空襲の爪痕が残る5カ所を約2時間かけて見て回った。

 辻野喬雄さん(90)=同市東区=が「眠っていたところを起こされ、姉と一緒に防空ずきんと布団をかぶって外に飛び出した」などと空襲体験を語った。参加者は熱心に聞き入り、メモを取ったり写真を撮ったりしていた。

 女性(66)=同市北区=は「若い人たちにも伝えていかなくてはならないと強く思いました」と話していた。

 戦争遺跡めぐりは毎年6月下旬に行われ、今回で28回目。

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