“あじさい坂”に癒やしの彩り 亡き父の遺志引き継ぎ 宇都宮でアジサイ見頃

石垣の上から坂道を彩るアジサイ

 栃木県宇都宮市氷室町の「氷室あじさい坂」でアジサイが見頃を迎えた。水色や白など淡い色合いの花が坂道の両側を彩り、癒やしの空間をつくり出している。

 約300メートルある坂の石垣の上などに千株のアジサイが植えられている。土地を所有する同所、島田邦夫(しまだくにお)さん(74)の父の故文男(ふみお)さんが地元に名所をつくりたいと、2001年に挿し木を育てたのが始まり。文男さんは旅行先で苗を集めるなどして、5年かけて植栽した。

 父親の遺志を継いだ邦夫さんが主に手入れしているが、環境保全に取り組む地元住民組織「氷室みどりの郷」が花摘みなどで管理を支援。17年には市まちなみ景観賞大賞に選ばれた。

 坂を下って約300メートル先の坂にも300株のアジサイがある。邦夫さんは「多くの人に楽しんでもらえれば、父も喜ぶと思います」と話した。見頃は1週間ほど続く。

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