組合員増、赤土町に支店 JA金沢中央、24年秋新設

金沢市赤土町での建設が決まった中央支店(仮称)のイメージ(JA金沢中央提供)

  ●総代会で了承

 JA金沢中央は来年秋にも、金沢市赤土町に支店を新設する。同JAが管轄する市北部や西部は人口増に伴って組合員数が伸びていることから、新たな拠点が必要と判断した。能登や加賀の組合の多くが店舗や組織の統廃合で生き残りを図る一方、金沢中央は安定した経営基盤を背景に拡大路線を進む。

 25日、県農業会館で開かれた総代会で方針が了承された。新たな店舗は「中央支店(仮称)」で、赤土町にあるJA金沢中央ライスセンターや米穀倉庫の隣接地に建設する。

 建物は鉄骨3階建て、延べ床面積約2165平方メートルで、総工費は約12億円。30台以上の駐車場を備え、1階には農産物の直売所、2階にはサロンを設ける。今年8月に着工し、来年7月の完成を見込む。

 入江1丁目にある本店から共済や総務などの一部機能を移すほか、畝田中1丁目にある食販センターなどの機能も担わせる。新設に当たって職員を採用することはせず、配置転換で人員を確保する。

  ●田村組合長「店舗統合考えず」

 総代会で田村政博組合長は、北部や西部の組合員増に加え、本店が手狭である点を強調し、「気軽に立ち寄れる施設が必要と判断した」と説明した。

 田村組合長は終了後、北國新聞社の取材に対し、「本店と支店を統廃合する考えは現時点でない」と指摘。古い店舗から順次、建て替えを行う方針を示した。

 県内JAを巡っては、県中央会が現在の16JAを能登、金沢、加賀の三つに再編する構想を掲げている。しかし、合併期日を再延期した加賀エリアの6JAと同様、金沢中央を含む金沢エリアの4JAも経営状況が比較的安定しており、合併のめどは立っていない。

  ●経常益3335万円増

 総代会ではこのほか、今年度の事業計画や昨年度の事業報告を決議した。昨年度の経常利益は前期比3335万円増の4億2826万円、当期剰余金は2886万円増の3億3193万円となった。

© 株式会社北國新聞社