「満足はしていないけど、うれしい」 笹生優花は惜敗にも晴れやか

1打差2位惜敗にも晴れやかに笑った(撮影/中野義昌)

◇海外女子メジャー◇KPMG全米女子プロゴルフ選手権 最終日(25日)◇バルタスロールGC(ニュージャージー州)◇6621yd(パー71)

日本勢初のメジャー2勝目は、手の届くところにあった。1打及ばず2位。それでも、笹生優花の表情は晴れやかだった。

「満足はしていないですけど、今までやってきたことを出せたことはうれしい」。2021年、いきなり「全米女子オープン」のビッグタイトルをつかんで乗り込んできた米ツアーだが優勝に届かず、予選落ちが重なる時期もあった。目標に据えるメジャーで好成績を残せたことを素直に喜んだ。

応援に駆け付けた渋野日向子も健闘をたたえた(撮影/中野義昌)

5打差8位からのスタートで、必ずしも出足は鋭くなかった。前半で7番(パー5)のバーディ1個だけ。悪天候による2時間近い中断を挟み、再開した10番で30ydほどをチップインしたバーディから一気に加速した。

「クラブの選択だったり、ラインだったり、たまたま予想が合っていた感じだと思う」。12番(パー3)でロングパットを流し込み、13番はセカンドをベタピンにつけて獲った。15番も8mほどを決めた。

最後まで見せ場を作った18番のバンカーショット(撮影/中野義昌)

「前は知っていたけど、後ろの状況は分からなかった」。ライバルの動向を確認するよりも、ひとつでも伸ばしていくことに集中した。最終18番(パー5)、UTでグリーンまで悠々と届く距離のセカンドを左サイドのバンカーに入れた。「雨が降って、(砂が硬くなっていたのでボールのライは)キレイでした」と言ったが、少しつま先下がり。左から傾斜で回した一打はカップを目の前にして止まった。

「簡単ではなかったけど、何とかなった」というバンカーショットは、ギャラリーがチップインイーグルすら期待したくなる軌道を描いた。「それは(周りが)みんなが思うことで、自分はそんなに…」と笑う。

1週空いて次戦は歴代覇者として全米女子オープンへ(撮影/中野義昌)

「今週は良かったと思います。やることをしっかりとやって、先輩方と楽しくラウンドできた」。メジャーでの激闘どころか、いつもの試合を終えたようにあっさりと言って、2週後の「全米女子オープン」(カリフォルニア州ペブルビーチGL)に視線を移す。

「1週間空くので、しっかり休んで、(次も)やることをしっかりやってって感じです」。スタンスが変わらないのは、自信を深めた証しともいえる。(ニュージャージー州スプリングフィールド/亀山泰宏)

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